MAMプロジェクト019: エムレ・ヒュネル
会期: 2013-09-21 - 2014-01-13
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
インスタレーション
開催内容
文明崇拝社会への静かなる警鐘
イスタンブール出身の注目若手アーティスト、日本初紹介!
MAMプロジェクトは森美術館が世界各国の才能豊かな若手アーティストを応援するプロジェクトシリーズです。
森美術館は、2013年9月21日(土)から2014年1月13日(月・祝)まで、「MAMプロジェクト019:エムレ・ヒュネル」展を開催します。エムレ・ヒュネル(1977年イスタンブール生まれ)は、科学、戦争、テクノロジー、医学などの歴史を踏まえ、危うさをはらんだ文明社会、その延長線上にある未来について問いかける作品を制作します。
その壮大なテーマは、作品タイトルにも表れており、例えば初期の代表作《パノプティコン》(2005年)は、ミシェル・フーコーが管理統制された社会システムの比喩として用いた言葉に由来します。謎の生命体の社会を描いたこのアニメーション作品を通して、ヒュネルは秘教、歴史、権力社会や人間と自然の関係性について言及しています。「制御不可能な巨大な力」を意味する《ジャガーノート》(2009年)は、万国博覧会、自動車産業などの近代化の象徴を参照しつつ、航空学、戦闘機を主題に、皮肉にも科学やテクノロジーが戦争と共に発展してきたことを示唆する映像作品です。また、「途方もなく非現実的な」という意の《キゾティック》(2011年)は、アマゾン奥地にかつて実在したゴム・プランテーションの町「フォードランディア」を主題に、人間の無謀な夢と試
みが詩的に表現されたインスタレーション作品です。
本展では、《ジャガーノート》と新作を含むインスタレーションを発表します。主題や表現方法など、あらゆる分野を行き来しながら時空を超えた視点で制作を続けるヒュネルの作品群は、私たちに世界を俯瞰し、人間と文明の進むべき方向性について再考することを促します。
エムレ・ヒュネル 略歴
1977年、トルコのイスタンブール生まれ。ブレラ美術アカデミー(イタリア)卒業後、オランダのライクス・アカデミー・レジデンスなどを経て、現在はイスタンブール在住。主な個展に、「エオリアン」ロデオ(イスタンブール、2013年)、「Salt 6:エムレ・ヒュネル」ユタ美術館(アメリカ、2012年)、「新しい地平」ストローム(ハーグ、オランダ、2010年)。主なグループ展に「マニフェスタ9」(ヘンク、ベルギー、2012年)、「釜山ビエンナーレ」(2010 年、韓国)、「ヤンガー・ザン・ジーザス」ニュー・ミュージアム(ニューヨーク、2009年)、「APT:アジア・パシフィック・トリエンナーレ」(ブリスベン、オーストラリア、2009年)など。