星野俊光 写真展「Cats on the Shore~海辺に生きる猫たちの記憶~」
会期: 2013-08-19 - 2013-08-29
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
写真
展覧会タグ:
写真
開催内容
今も開発が進む東京湾沿岸にありながら、自然の砂浜や昔ながらの漁港が点在する千葉県のある地域に、年老いた漁師と寄り添うように暮らす外猫(野良猫)がいます。
漁網をネズミから守るという役割を与えられた猫は、古くから漁師と共存して来ました。家なき猫たちは、廃船の隙間や網小屋の隙間などで暮らし、食料は漁のおこぼれや、魚の粗(あら)などを貰っています。食料が十分でない時は、波打ち際で漂着物を探したり、砂丘でバッタや蜂などの昆虫を捕獲したりもします。
これらの海辺で生き抜く術は、母から子へと脈々と受け継がれて行きます。過酷な環境で暮らす親子の絆はとても強く、ここでは親離れに2年以上かかることも珍しくありません。
かつては、どこの海でも見られたであろう、猫が猫らしく生きる光景ですが、沿岸漁業の衰退につれ過去のものとなりつつあります。また、時より漁師が与える猫たちの食料も、栄養バランスの良いドライフードに変わり、砂浜に漂着する魚を親子で探す猫の姿はすっかり見られなくなりました。
やがては消えゆく砂浜に暮らす猫たちの日常風景を、単なる記録ではなく『記憶』に留めたい。本作品は海辺に生きる猫たちの日常を、2 年間にわたり見つめた『記憶』のような写真です(撮影時期:2010年6月~2012年8月)
未公開作品53点(カラー、Å1、Å3ノビ、 インクジェットプリント)を展示