内山聡 『 I have my time. 』
会期: 2013-07-06 - 2013-08-11
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
レセプションパーティー
インスタレーション
ミクストメディア
開催内容
内山は神奈川・東京に活動拠点をおき、既成の『絵画論』を解体し、『絵画』を見つめ直す作品を発表している現代美術家です。
内山の『絵画論』は、『行為』と『時間』の2つの要素に還元されていると言えるでしょう。
作品は、文房具や工業用品などの既製品を素材にし、作家自身によるひたすら繰り返される行為とその時間を可視化させる事で成立しています。
蓄積された行為(労働)と時間(運動)は、展示空間を圧倒する程のインパクトを持って鑑賞者の眼前に提示されます。
一見内山の作品は、既製品を素材にしていることから精巧な工場製品を思わせますが、よく見ると作品のフォルムやテクスチャーは正規格な工業製品とは一線を画し、各所に作家の思考や感情、あるいはその日の健康状態までもが、まるで日記のごとく滲み出ています。
あたかも織機を操る様に淡々と素材に向かい、「布を織る」行為を繰り返しているようであり、一介の人間である作家の「手仕事」として費やされた時間を「作品」に変換しています。
ちなみに、今回の個展のタイトル『 I have my time. 』は一人称で書かれていますが、主語の I は作家では無く作品を表している様にも思われます。
つまり、作品が作家の手を離れ、完全に自立し、出自や成長のプロセスの「時間」を作品自体が強烈にアピールしているかに見えます。
作品の存在を物理的に支えているものは、紙テープ同士の間の摩擦と、簡単にずれたりほどけない様にきつく巻く圧力のみです。(テープ面に接着剤などは使用されていません)
極めて単純な行為の痕跡を見せつつ、その向こう側に広がる膨大かつ広大な時間の平原。
観る者はそこに、命題『絵画とは』に対する一つの解答を見つけることになるでしょう。
今回の展覧会では、実際に内山が制作を行っている様子もリアルタイム(期日限定)にご覧いただきます。
是非この機に内山聡の世界をご高覧下さい。