東松照明 時を削る

開催概要

会期
2013年06月01日 〜 2013年07月07日
会場
三菱地所アルティアム (福岡県福岡市中央区天神1-7-11 イムズ8F)
参加クリエイター
東松照明
ジャンル
写真
タグ
トークイベント、写真

開催内容

戦後写真界の巨人が挑んだデジタル大判出力 約50年間に及ぶ各年代の代表作が一堂に

 2012年12月14日、写真家、東松照明がこの世を去りました。東松は戦後写真界の巨人と称され、常に新しい取り組みを発表し続けてきました。1959年に奈良原一高、細江英公らと設立したセルフ・エージェンシー“VIVO”、1974年に森山大道、荒木経惟らと開校した“WORKSHOP写真学校”などの影響は大きく、東松は現在に至るまで日本の写真表現を牽引する存在であり続けました。
 本展覧会は、2010年に発表された東松初のデジタル大判出力作品(幅42インチ/約106cm)と、同時期に綴られた文章で構成します。東松は、2002年にいち早くデジタル出力の作品を発表。より質の高いプリントを目指して自身のスタジオで日々試行錯誤を続けてきました。そして、プリンターの技術的な進歩により、満を持して大判に取り組むことを決意。1950年代の初期のモノクロ作品から1990年代末まで、約50年間の各年代の代表作を自ら選びプリントしました。デジタル出力という技術を得て以降、東松はますますテクスチャー(質感、肌触り)の表現に力点を置くようになり、沖縄での最後の集大成展「太陽へのラブレター」(2011年)においても、新鮮な輝きに満ちた質感溢れる世界を大判プリントにて表現しました。本展覧会出品作は、その先駆けであったとも位置付けられるでしょう。


ただひたすら見て選ぶのが写真である
           東松照明「時を削る 東松照明の60年」2010年7月5日付 西日本新聞より

東松はしばしば写真集刊行や展覧会開催にあたって自作を再編集・再構成してきました。本展覧会でも、膨大な数にのぼる作品の中から厳選したものをプリントしています。戦後日本の復興期を力強く生きる人々の姿、長崎や沖縄をライフワークとして追い続けたシリーズ、二重露光などによるいわゆる「メイキング・フォト」・・・・・・。撮影時にとらえた「今」と、生涯最後に挑んだ新たな取り組みとしてのデジタル出力が圧倒的な写真表現を生み出します。また、2010年西日本新聞文化面に連載された東松の文章も会場内で公開します。カメラを初めて手にしたときから60年に及んだ写真家としての軌跡を、自身の作品を再び見つめて綴られた文章もご注目ください。
 福岡での個展開催は、1981年に全国巡回した「いま!!東松照明の世界・展」以来約30年ぶりとなります。選び抜かれた代表作で足跡を辿るとともに、今後のデジタル出力作品、大判写真のあり方についての提言ともとれる作品ともいえるでしょう。東松作品の世界、そしてその表現を存分に感じ取っていただける作品にご期待ください。

東松照明 時を削る