片山高志個展「何かの何かだと思ったけど、何の何でも無かった」
会期: 2013-04-19 - 2013-05-01
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
レセプションパーティー
アクリル画
開催内容
今回の展覧会は、新作を含む3つのシリーズで構成されます。それぞれのシリーズに一貫しているのは、人物の顔が何かに置き換えられていたり、後ろ姿になって見えないという事です。これは作者が、絵画における登場人物には匿名性を帯びてほしいという思いからです。新宿眼科画廊の3つのスペースにそれぞれのシリーズを展示し、離れながらも繋がって行く3つの世界をご高覧頂ければ幸いです。
1.“ parallel scenery”
どこだか分からないけれども存在する、もうひとつの世界。その世界に佇む住人の視線をジャックしたような世界観を描き出しています。このシリーズでは「片山・もうひとつの世界の住人・観客」の3つの視線が複雑に絡み合っているようにも感じます。これまでのカラフルな色彩から一転してひとつひとつ色数を絞って制作され、断絶されながらも繋がって行く世界を表現しています。
2.“ on the road”
VOCA展2011(上野の森美術館)に選出されたシリーズ。つい笑ってしまうようなユニークさの隣には、否応無く皮肉が込められています。それにも関わらず、観るものは、絵の中でおこっている様々な事柄に目を向け、頬を緩めずにはいられません。片山の絵の特徴とも言える、頭部が何か違うものに置き換えられた、あるいは後ろ姿で顔は見えない登場人物たちが、それぞれの物語を伴って絵の中でひしめき合っています。新作では大量消費社会の中に生きる私たちを、皮肉さと滑稽さを込めて表現しています。
3.“ eggs”
登場人物の頭部は、全てたまごに置き換えられています。普段、生活している中で目にするような1シーンを切り取ったような、そのなんでもない事柄をあげて描かれるたまごたち。それはまるで、私たち自身のことを描いているように見えると共に、普遍的な何かを想起させてくれ、途方も無い気持ちと暖かい気持ちが同時に沸き起こります。微笑ましくもかなしい、深刻さと滑稽さ、といった対峙する2極を同時に表現するのは、片山の作品の特色です。
アクリル絵の具による平面作品約40点