トレヴァー・ブラウン個展 ~女の子戦争~
会期: 2013-05-15 - 2013-05-26
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
イラストレーション
油彩画
開催内容
カタルシスへの革命を目撃せよ!
トレヴァー・ブラウン(Trevor Brown)はロンドン出身の画家・イラストレーター。そのスキャンダラスな作風は母国イギリスでは受け入れられなかったため、日本に活動の場を移した。以後日本のサブカルチャーにも影響を受け、幻想的な作品を多く発表。現在ではアメリカやヨーロッパにも多くのファンを得ている。
毒々しさで染め上げられ、強烈なシニカルを持ち合わせる作品の主なモチーフは、「少女たち」。サディスティックに歪められ、エロチシズムで戯画化された彼女たちの姿は、子供と大人の間で相反するものが一体となるメタファーなのである。神聖で、厳かで、天使のような存在と背反する俗悪は、秘密めいた美しさ
を現わすのだ。また、彼の高い描写技術によって描き出された限りなくリアルな存在感は、一瞬にして非日常の空間へと誘う力を持っている。
2009年に開催した「アリスの時間」に続き2回目となる今展では、新作の油彩画を多数発表する。また、来日20年を記念して待望の新作画集が刊行。おもちゃの可愛らしい戦車や戦闘機を背景に銃や手榴弾を持ち、武装蜂起した彼女たちは何と戦っているのだろうか?彼の描き出す妖しい世界は、どこか無機質で虚ろげな表情で訴えかける「少女たち」の心の叫びの代弁者として迎えられ、受容されているのだろう。閉塞した世界にレジーム・チェンジを突きつける、センセーショナルな解放を体感していただきたい。そうして、我々はカタルシス(抑圧からの解放・浄化)の境地に辿り着く。繊細で苛烈なセンスを奔放に羽ばたかせるトレヴァー・ブラウンの禁断の園が、扉開かれる瞬間…グロテスクで、愛おしく、恐ろしく、いじらしい、「少女たち」の姿に魅了されるはずだ。