厚地朋子+山下耕平 「近所の迷子」
開催概要
開催内容
近所に赤いレンガ作りの大きな洋館の家が建ちました。おいおい、ここはどこだ・・・と思いました。
地元の国道沿いの喫茶店には、かつて、大きなダヴィデ像が(もちろん全裸で)そびえ立っていました。
この二つの記憶はわたしの原動力のようなものです。
それで、まずは普通に絵を描いてみようと思い絵を描きました。すると、出来上がった絵は、空間が歪んだ絵になっていました。意識したわけではなく、勝手に絵の中で空間がおかしなことになってしまった。
もともとコンプレックスが多く、それを昇華するように絵を描いていたこともあり、それは今も変わっていないように思います。じゃあ何が今コンプレックスなのかというと、絵を描けば描くほど、私は「憧れの西洋」なるものに毒されているなあ、と思うこと。いつかこの毒がぬけて、大きくて逞しい絵が描けるといいな、と思って、とりあえず今は「憧れの西洋」を自分の中で食べて食べて食べ尽くして消化(昇華)してみようと思いました。
それで、まずは普通に絵を描いてみようと思い絵を描きました。すると、出来上がった絵は、空間が歪んだ絵になっていました。意識したわけではなく、勝手に絵の中で空間がおかしなことになってしまった。
自分が描いた絵から気付いたことだけど、私の見ている世界は実は絵のとおりかもしれない。
一点を凝視したときにおこる遠近の崩れ。ものの大きさが崩壊して、ものを見ているだけで酔う感覚。
手前が大きく後ろが小さいとは限らない。遠近法の通りには見えない世界。多視点の空間。 この視覚の混乱と、「憧れの西洋」へのコンプレックスは、きっとそう遠くない問題なような気がします。 絵を描けば描くほどに感じるコンプレックスを、視覚の混乱という発見を手がかりに、食べ尽くして克服してやろう と思います。
2013年2月
厚地朋子