展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
レセプションパーティー
ジュエリー・アクセサリー
ガラス
金属
彫刻
陶磁
日本画
平面
開催内容
小学生の頃、理科の実験で夢中になって覗き込んだシャーレ。直径9センチの小さな空間。そんなシャーレの中に、35名の作家が独自の作品世界を作り上げました。そこに在るのは、引き出された素材の鼓動なのか、紡がれた物語なのか、はたまた哲学的思考の展開なのか。
シャーレを手に取り、O_laboratoryならではの発想を是非お楽しみください。
※ 作品価格 ¥3,150、¥5,250、¥8,400
購入後"お持ち帰り制"ですのでお早めのご来廊をお勧めします。
シャーレプロジェクトにおける 考察文=松永敏
「シャーレに作品を入れる」
シャーレと聞いて頭に浮かぶ特性として、二つの点が挙げられる。ひとつは丸くて平べったい形状であり、手の中に収まる大きさであるということ。直径は約8.6センチである。それだけならまだしも、高さは1.3センチしかない。そこに収まる作品ということになると、かなりサイズは制限されてくる。シャーレは作品を収めるものとしてはかなり小さいように思う。ただ、小さいというだけなら何もシャーレである必要はない。小さくても四角であったり高さがあったりするほうが都合の良い場合が多いだろう。では何故、作品をわざわざシャーレに入れるのか。その答えはきっともうひとつの特性にある。その特性とは、もともとシャーレは理科の実験用の容器である、ということだ。理科の実験のとき、シャーレの中ではまったく予想しなかったこと、教科書でしか知りえなかったことなどが目の前で起きていた。細胞が増殖していく様子や化学変化で色彩が変化していく様子を夢中になって観察したことを思い出す。そんなシャーレに今度は作品を入れてみたらどうなるだろう?おそらく同じように何かが起きるはずである。それは、作家によって引き出された素材の鼓動か、または作家が紡ぐ物語や哲学的思考の展開かもしれない。いずれにせよ、シャーレを手に取り、じっくり観察してみると何かが起きているであろう。本来、作品とは「作品」と呼ぶ以上、そういった何かが起きているものであるべきだ。そうあるべきだが、作品をシャーレに入れることによって鑑賞者が理科の実験のときのように注意深く観てくれたなら、作品の何かに気付く機会が増えるだろう。
鑑賞者の作品を観るテンションを上げる、シャーレはそんな役割を担ってくれると考える。