植田真紗美写真展「海へ」
会期: 2013-03-19 - 2013-03-24
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
写真
展覧会タグ:
トークイベント
写真
開催内容
海へ向かうとき、身体が抗えぬ潮に満たされた。潮騒の先に万物の理がゆらゆら揺れている。海は「生き物」であり「性」を感じさせられる場所だ。
一説によると、「海」という字の原義は、「氵」は水の意をし、「毎」は「母+草の芽」の組み合わせで母が次々と胎内から子を生むことや草が大地から生えることをさす。それは無から有が出てくることであり、暗い所からあかるい所に出てくるため、「繁殖する」のイメージの前提として、「無い」と「暗い」のイメージをもつという。
現代に知られている羊水と海水の成分がほとんど同じであることや生物の始まりが海のバクテリアから進化したことなどがわかる前から、「海」に原始(有無)や母(産む)の意味を込めていたのだ。
日々孕む忘却がひたひたと、かわした黙契を沈めてしまわぬよう、海へと誘われるのである。