笹岡啓子写真展 「CAPE」
会期: 2010-09-21 - 2010-10-17
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
写真
展覧会タグ:
写真
開催内容
《CAPE》は、笹岡啓子が写真家としての活動の最初期から継続している「風景」のシリーズの最新作です。このシリーズは、2001 年の自身初となる個展で《習作》として発表されて以来、《限界》、《観光》、《水域》とタイトルを微妙に変化させながら、自然と文化の境域をめぐって試行錯誤が続けられてきました。
「釣り人の後を追えば、必ずどこかの磯に出られるものだ」と語るように笹岡は、日本各地の海岸線や稜線を丹念に歩き辿りながら撮影してきました。この体力勝負のような撮影行為は、けっして秘境というユートピアを探す旅ではありません。すでに写真イメージによって増幅された世界に生きる私たちにとって、誰も見たことがない場所やはじめて見るような場所がどこにもないことは、作者も十分に知っています。作者がこのシリーズに賭けたものは、なによりもまず写真に撮ってそれを見ることが「新しい体験」になるという、忍耐を要する確信にほかなりません。
本作《CAPE》の撮影地は、三浦半島の城ヶ島安房崎、房総半島の野島崎、積丹半島の神威岬などです。海路の時代、岬は「神先」であり、神が降りる場所とされていました。笹岡の写真は、現在も岬が自然と文化の境域のシーニュであることを私たちに示しています。
展示内容/C プリント、1000 x 1000mm、5 点
笹岡啓子 SASAOKA Keiko 略歴
1978 年、広島県生まれ。東京造形大学卒業。
2001 年、写真家・北島敬三らとともに東京・新宿2丁目に「photographers' gallery」を設立。photographers' gallery では、ギャラリーの運営のみならず、展覧会や写真講座の企画、機関誌や写真集の発行など、多岐にわたる活動に携わる。
「SASAOKA Keiko 2001-2007」(タマダプロジェクト・東京、2008 年)、「PARK CITY」(銀座ニコンサロン・東京、2008 年)ほか個展・グループ展多数。2008 年、「VOCA 展2008」奨励賞受賞。2010年、写真集『PARK CITY』(インスクリプト、2009年)に対して日本写真協会新人賞受賞。近刊写真集に『EQUIVALENT』(RAT HOLE GALLERY、2010年)。