縣ケンジ展「blasplosion」
会期: 2012-10-13 - 2012-11-10
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
レセプションパーティー
平面
開催内容
今展は現在、東京藝術大学在学3年生の新鋭・縣ケンジによる初個展となります。 縣の作品は、鳥や蛇、落雷などのイメージが巧みに組合わされ、具象形態を保ちながらも、一方でその拡散と崩壊を志向する抽象的タッチが鮮やかに画面に炸裂しています。
その細部まで精緻に描き込まれた筆致の魅力に加え、画面にほとばしる華美な配色や、具象と抽象のハイブリッド、歌川国芳の奇想にもつながる形態のメタモルフォーゼなどは、天明屋尚が提唱するBASARA美学にも通じるところです。
BASARAとは、侘び・寂び・禅の対極にあり、オタク文化とも相容れない華美(過美)で反骨精神溢れる覇格(破格)の美の系譜であり、日本社会のフラットな枠組みからは逸脱した戦国時代のかぶき者や幕末の絵師たちの伝統に連なる系譜です。
具象形態を型どりながらも、抽象的な閃光や液体の破裂で構成された縣の絵画は、誕生と同時に消滅する二方向に引き裂かれた存在とも言え、その華美な勇猛さや猛々しさと同時にそれとは真逆の儚さや無常感をも感じさせます。そうしたある種の矛盾や混沌、葛藤こそ、混迷の時代における、縣の現代の絵師としての矜持の表れなのかもしれません。若き新鋭の初個展となる今展はアクリル絵画約10点で構成。この機会にぜひともご高覧ください。