遠藤良太郎/CeramicWorks ゆらゆらと行方知れずの小宇宙
会期: 2012-09-07 - 2012-09-28
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
陶磁
開催内容
幼い頃に持っていた自由な遊び心は自身の小宇宙を形成する。
好きなようにルールを作りそのルールの中で限りなく自由に遊ぶ。
しかしそれは時が経つにつれていつのまにか行方をくらました。
確かにあったはずなのに圧倒的スピードで押し寄せる膨大な
情報の波にもまれて小宇宙と離れ離れになってしまった。
だが決して消えたわけではない。あの頃のように五感を研ぎ澄
まし変化を望めばきっとまた出会えるだろう、あの頃よりも
素晴らしい小宇宙と。(遠藤良太郎)
遠藤良太郎の作品を初めて見たとき、なんと不安定なという印象を持った。しかしこの不安定という感情は一体どこから生まれるのか?遠藤良太郎の作品を見ると、我々が持つその感情に挑戦するような造形感覚を嗅ぎ分けることができる。つまり陶とは土という素材から火を使い形を生み出すが、一貫して壊れるという性格に常に抗って生まれると言えなくもない。故に普通世間一般における“陶”とは出来る限り壊れないという安定をその造形に持ち込もうとするが、遠藤良太郎の場合、その逆を試みている。“陶”という常に壊れ消失することを性格として持ち合わせている物体の本質とは、出来上がるという瞬間と壊れるという瞬間、その狭間に存在し、その狭間で成立する、そういった瞬間の“出来事”を作家が創出しているのではないか?と考えさせられる。長い年月の中で培われた現在の作陶の技術とはある意味挑戦を欠いた予定調和としての造形かもしれない。遠藤良太郎が挑む作陶とは完成と消失の狭間に存在する“陶における出来事”そのものを如実に現していると私は感じるのです(COMBINE 上山潤)