笹川治子 Haruko Sasakawa 「case.D」
会期: 2012-09-01 - 2012-09-17
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
レセプションパーティー
映像・映画
インスタレーション
立体
ミクストメディア
現代アート
開催内容
この度、Yoshimi Artsでは、笹川治子の個展「case.D」を開催致します。
笹川治子は、2012年6月にYoshimi Artsにて、初個展「case.A」を発表しました。謎の会社組織の展示会を思わせるインスタレーションで、Aが記されたマークを配したアメニティグッズやメダルを並べ、中央には科学技術によって生み出された機械のように見える巨大なハリボテの造形物を出現させました。原発、人工衛星、オウムのサティアンなど、その造形物から思い浮かぶものは様々ですが、脅威とも成り得る最先端の科学技術がハリボテのような代物に映るということが、皮肉でもなく現実であることを再認識させられた鑑賞者は少なくなかったでしょう。また、同展では「AD」=「アドバタイズメント」がテーマの一つとなっており、繰り返し用いられるが為に、Aのマークが意味を成すような意識を鑑賞者は持ちはじめ、Aが普及していく様を体現することとなりました。
また、2012年7月には、大阪のアートフェア、ART OSAKAのYoshimi Artsブースにてインスタレーション「case.C」を発表。ホテルの一室にCのマークがついたフェイクのコインが大量に散りばめられました。為替のチャプターを想起させる映像やレートによる価格表がテレビモニターに映し出され、多くの鑑賞者がCコインをその場で購入しました。フェイクであるCコインが円の通貨と交換されたのです。Cコインは金・銀・銅の色で彩られているものの、歪で壊れやすく、一見通貨の体を成していないかのようですが、通貨の本質を表しています。このインスタレーションでは、Cが社会への流通を実現し、鑑賞者はその証人となりました。
笹川治子は、この社会で起こる出来事に対し批評的な視点を持ち、それらを記号的に可視化し、また、現象を様々な局面に置き直し、脱力的に表現することでリアリティーを表出する試みをしています。
6月の「case.A」、7月の「case.C」に続き、今展「case.D」では、平面・立体・映像による、近い未来を思わせる科学館のようなインスタレーションを発表致します。