2026コレクション展Ⅱ 前衛って何だ!?

開催概要

会期
2026年10月20日 〜 2027年02月23日
会場
兵庫県立美術館 (兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 [HAT神戸内])
ジャンル
アート
タグ
絵画

開催内容

令和8年度の兵庫県立美術館のコレクション展Ⅱは「前衛」をテーマに構成します。1986年にパリ、ポンピドゥー・センターで開催され、当館(県立近代美術館時代)や阪神間の作家が出品協力した「前衛芸術の日本 1910-1970」展から40年となるのを機に開催します。「前衛」とは何か、「前衛」の意味するものとは? 戦前から戦後まで、さまざまな「前衛」について考える機会とします。テーマ「前衛」につづく展示の後半では令和7年度の新収蔵品を展示するほか、恒例の「美術の中のかたち―手で見る造形」では彫刻家の青木野枝さんをお迎えします。2階展示室の会期後半には当館の梅舒適コレクションから、特集「王一亭とその時代」を開催します。

[見どころ]
1.「前衛芸術の日本展」に出品された作品も含め、当館のコレクションを通して「前衛」を6章構成で考えます。西欧の影響を受けておこった「前衛」から日本独自の「前衛」まで、「前衛」をいろいろな言葉で展開しながら、日本の戦前、戦後美術をたどります。

2.令和7年度の新収蔵品から、赤松玉女(1959年、兵庫県生まれ)の絵画、星野美智子(1934年、東京都生まれ)、松元悠(1993年、京都府生まれ)の版画、米田知子(1965年、兵庫県生まれ)の写真作品をお披露目します。偶然にも女性作家が揃いました。作家それぞれの個性あふれる旬の作品をご覧ください。

[展示構成]
第1章 前衛とは「これまでになかったもの」である

戦後、最もエネルギッシュで熱い活動を展開した前衛グループのひとつである「具体」を、「前衛芸術の日本展」への出品作も含め、展示します。「前衛芸術の日本展」では、吉原治良、白髪一雄ら「具体」の主要作家の作品が展示されました。「具体」の国内外での評価がゆるぎないものとなったのはこの展覧会がきっかけとされています。

第2章 前衛とは「先端」である

「前衛芸術の日本展」の起点は1910年。西欧では20世紀の初頭、未来派やキュビスム、フォービスム、表現主義など非写実的傾向の美術が、さらにダダ、シュルレアリスムなど前衛的な動きが出現しました。1920年10月、ロシアの画家、ダヴィド・ブルリューク、ヴィクトル・パリモフが来日、彼らが開催した日本で最初のロシア画展覧会は大正期の新興美術の大きな推進力となったほか、1920年代には新しい表現に挑む尖鋭的なグループがつぎつぎとあらわれました。つづく1930年代には、シュルレアリスムや抽象美術に影響を受けた画家たちも登場します。

第3章 前衛とは「断絶」である
1950年代にフランスでおこったアンフォルメル(=不定形の意)は、フランスの批評家ミシェル・タピエが提唱した抽象絵画の一傾向で、日本でも「アンフォルメル旋風」とよばれ一時ブームとなりました。「何か」をマチエール(物質)によって表現するのではなく、「何か」を表現する「手段」そのものを目的化し、マチエール(物質)そのものの中に表現的可能性をみようとするアンフォルメルは、「物質」が「表現」にとっとかわったという意味において近代芸術の伝統からの断絶であったと評価されています。

第4章 前衛とは「逸脱」である

1949年に発足した無鑑査の公募展、読売アンデパンダン展は作家たちの自由な発表の場として毎年開催されましたが、第9回展(1957年)ごろから出品物が次第に過激化し、それらは「反芸術」の名で言い表されるようになりました。1950年代後半から60年代にかけてさまざまな前衛グループがあらわれ、既成の芸術概念から逸脱するような活動を展開します。これらの過激で価値破壊的な活動は、美術の制度やあり方を根底から問い直すものでした。

第5章 前衛とは「否定」である

「前衛芸術の日本展」、造形美術セクションの最後は「もの派」でしめくくられます。1968年、第1回神戸須磨離宮公園現代彫刻展で発表された関根伸夫による《位相―大地》は大きな衝撃をもたらしました。この作品が発端となり土や石、木などの未加工の自然物を用いる一群の作家たちがあらわれました。彼等に共通するのは「あるがままにあることを、あるがままに見せる」「つくらない」ことであり、近代西欧美術における「創造」を否定したことでした。「もの派」は日本の戦後美術において、はじめて日本の固有性を示したともいわれています。

テーマ展 2階展示室
第6章 前衛とは「越境」である
※[展示期間] 10月20日(火)-12月13日(日)

1950年代、書と絵画がジャンルを超えて接近します。1951年に書家の森田子龍らが創刊した書芸術雑誌『墨美』は、海外の前衛美術を紹介し、画家たちにも大きな影響を与えました。文字を超えた形の表現としての書と絵画とが交わり一つの表現を生んだことは、日本(東洋)における書画一致の伝統への回帰とみることもでき、日本独自の前衛ともいえます。
「前衛芸術の日本展」では、戦前、戦後の「写真芸術」のセクションが設けられました。1930年代、フォトグラムやフォトモンタージュを駆使し、写真の新たな表現に挑み日本の新興写真に大きな役割を果たした中山岩太、ハナヤ勘兵衛の作品を展示します。

2026コレクション展Ⅱ 前衛って何だ!?