航路
開催概要
開催内容
2020年のミュゼふくおかカメラ館での個展以来、6年ぶりとなる富山での個展。
本展は、富山県射水市・内川を舞台にした写真展です。
内川は、富山湾から町の中へ水路が入り、漁船が行き交う独特の景観を持つ町。「日本のベニス」とも呼ばれ、近年は富山を代表する観光地の一つとして注目を集めています。一方で、漁業や暮らしの場として長い時間を積み重ねてきた町でもあります。
今回、高野は内川を実際に歩き、人と出会い、歴史に触れる中で、この町にある風景や物を撮影しました。
人は変わることを望みながら、同時に変わらないことも望んでいる。新しい未来を求めながら、積み重ねてきた時間を失うことを恐れている。
内川という町もまた、その矛盾を抱えながら長い時間を生き続けています。その姿が、変わりたいと思いながら、これまで積み重ねてきたものも失いたくないという、現在の自身の状況と重なりました。
本展では、町の象徴的な風景だけではなく、漁船をつなぐボラード、古い建物、船、水辺、街並みなど、歩く中で目に留まった小さなものに目を向けています。
傷や錆、擦れた跡が刻まれたボラードから、そこに繰り返されてきた人や船の動き、積み重ねられた時間を想像する。
「航路」とは船が進む道を意味します。しかし、船には出航する場所があり、留まる場所もあります。
内川という町を見つめることを通して、変わり続けるものと残り続けるもの、そして人と町がこれからどこへ向かうのかを見つめます。
会場は、内川の川沿いにある古い納屋「大神楽」。その建物が持つ時間や質感も含め、写真と空間によって「航路」を構成します。