故事.STORY - 徐梓淳x王子路 双人展 -
開催概要
開催内容
『故事』は、出来事が起こった瞬間に生まれるものではなく、幾度となく振り返られ、語られ、ときに沈黙のなかへ沈んでいき、その積み重ねのなかで、少しずつかたちを成していきます。時間の流れのなかで、私たちはつねに現在の自分自身から『故事』を語り直し、忘れられた部分を補いながら、なお心に残り続けるものを際立たせ、新たな意味を与え続けています。
本展において、『故事』とは、一般的な意味での故事や逸話を指すものではなく、人から人へと語り継がれ、語り直されることで姿を変えながら受け継がれていく、記憶のあり方そのものを意味しています。
二人の美術家、王子路と徐梓淳は、それぞれ異なる制作経験を原点とし、作品を通して記憶、時間、そして語りについての思考をかたちにしています。両者の作品は、形式や素材、表現方法において異なりながらも、その差異のなかに共鳴を宿し異なるイメージや素材、感覚が互いを映し出し、交差し、ときに衝突しながら、一つの展示空間のなかで新たな関係を生み出していきます。この展覧会はひとつの共通した答えを提示しようとするものではなく、いまなお生成し続ける『故事』について、ともに考え続けるための対話の場なのです。そして作品に向き合う鑑賞者一人ひとりの眼差しもまた、この対話を成立させるために欠かすことのできない存在となるでしょう。