山中 宣明 “ Melisma ”

開催概要

会期
2026年08月28日 〜 2026年09月06日
会場
s+arts (東京都港区六本木7-6-5 六本木栄ビル3F)
参加クリエイター
山中宣明
ジャンル
アート
タグ
絵画

開催内容

s+arts(スプラスアーツ)より、山中宣明 個展「Melisma」の開催をお知らせいたします。
山中宣明は、古典技法の基礎を元にしながら、テンペラ等の顔料を含め様々なメディウムを用いて、透明と不透明、有機性と無機性、偶然と必然等相反する要素の融和を強く意識しながら制作している作家です。西洋美術史の文脈の中での抽象画の概念だけでなく、水墨画等の東洋的心象性哲学性も創作の規範としている山中の作品は、国内外で高い評価を得ています。

作品を見た後に人が受け取る「感覚」を重点に置き制作を続ける山中は、「音」という目に見えない刺激を用いて自身の絵画で表現することを一貫したテーマとして掲げ、長年追求しています。「凝視の後、目を閉じたときに見える残像、演奏が終わった後に聴こえる残響を映像化する」と話す山中の作品は、様々な素材が交じり幾層ものレイヤーで織り成される画面空間を一度解体し、再構成することを意識的に取り入れることで、奥行き感が伸びるかのように残響的なイメージのレイヤーが加わっていくのです。

「展覧会タイトル“Melisma(メリスマ)”とは、音楽用語で一つの音節の中にビブラートや複雑で微妙な表情を施す唄法を意味します。
声楽家ではありませんが、その表現方法は、自分の描法と共通するものがあります。シンプルな色面や一つの色彩の中にミクロで観ると様々な変化やニュアンスが内包されていることを目指しています。
作品タイトルの“Reverberation(残響)”も音楽用語で、私の中では余韻という言葉と同義語に近いです。音の可視化、映像化に長く取り組んでいますので、強い主張する音、色彩、形よりも想像力を喚起させたり、じっと凝視すると見えてきたり、耳を澄ますと聴こえてくる音が私にとっては心地よい世界です。ただし、その世界に入り込みすぎると情緒的になりすぎるので、気韻生動、ストローク、彩度の高いアクセント、シンコペーション、ヒズミ等も取り込み、静中動、動中静を意識し、低彩度と高彩度、色彩とモノクロ等、相反する要素のハーモニーに取り組んでいます。」---山中宣明

華やかに彩る、表情豊かで装飾的な旋律を意味する “Melisma(メリスマ)”は、様々に相反する要素を含みながらも秀悦で洗練されたハーモニーを織りなす山中の作品を表現するに相応しいタイトルだと言えるでしょう。作家としての自己表現をしながらも少し距離をとり、作品自体にその存在を委ねることで、見る者が想像力を喚起又は対話できるような表現を追い求める山中の姿勢は、音楽を奏でる演奏者のように、作品を通じて鑑賞者へと、目に見えない感覚を届けているかのようです。

色鮮やかにも渋く深みのあるようにも見受けられ、シンプルでありながらも複合的なニュアンスを持つことで、大変美しく心地の良い世界へと鑑賞者を導いてくれる山中宣明の新作群を是非ご高覧ください。

山中 宣明 “ Melisma ”