松元悠 イメージのあなた

開催概要

会期
2026年10月10日 〜 2026年12月20日
会場
黒部市美術館 (富山県黒部市堀切1035(黒部市総合公園内))
参加クリエイター
松元悠
ジャンル
アート
タグ
版画、現代美術、リトグラフ、報道

開催内容

 松元悠は、たまたま見知ったニュースや、法廷画家としての活動の中で出会った事件について、現地を訪れるなど独自の取材で想像を重ね、当事者を自身の姿に置き換えてリトグラフで作品を制作しています。版画史におけるリトグラフの報道性をベースにしながらも、ニュースと受け手の間を揺らぐようなファンタジックな画面構成も大きな魅力です。
本展では、初期から新作までのほぼ全作品を展示し、作品を通して立ち現れる作家の視点の広がりを捉えます。真実をめぐる本来的な理解が難しい他者の出来事とのオルタナティブな関係性を模索してきた松元は、自作が社会に発表されたその後に生まれる「後日談」にも注目し、当事者の聞こえない声や見えないものへの想像力を促します。

松元悠(まつもと はるか、京都府出身、1993年生まれ)
 京都精華大学芸術学部メディア造形学科版画コース、京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻版画で学ぶ。2025年「Kyoto Art for Tomorrow 2025 ―京都府新鋭選抜展―」にて「優秀賞」、2026年「第3回絹谷幸二芸術賞」にて「審査員特別賞」を受賞するなど、注目の若手作家。

本展のポイント|
1) 現代版画(リトグラフ)の展覧会
 黒部市美術館は日本国内における現代版画の流れをたどる作品の収集を行っていますが、本展は2019年「風間サチコ展 コンクリート組曲」以来の現代版画(リトグラフ)の個展となります。
 
2) 作家の公立美術館における、最大規模の個展となります。

3) 作品数とセクション
 本展では、初期から新作までのほぼ全作品(約60点)を8つのセクションに分けて紹介し、作家の活動を多面的に体感できる、非常に見ごたえのある構成となります。各セクションは「ニュースと版画」「法廷と版画」「物語と版画」「産業と版画」「運動と版画」「日用品と石版画」「日常と版画」「版画の後日談」に分かれ、作家の置かれた立場の変化や、リトグラフならではの多面的な役割に触れながら、セクションを横断して作品を比較しつつ楽しんでいただけます。

4) ポイントセクション「版画の後日談」
 松元が「今度は私自身がマス・メディアの立場に属し、イメージをつくる側になっ
てしまった」と述べるように、作品発表後に生じるイメージの伝播と再解釈の過程
に焦点を当てます。作品が社会の中で新たな受け手へと媒介されることで生まれる
“後日談”を通じて、私たちが出来事をどのように受容し、向き合うのかを問いかけ
ます。

5) 富山を舞台とする作品展示(「運動と版画」セクションにて)
1918年7月、米価高騰に苦しむ富山の女性たちが起こした抗議運動「米騒動」を題材に、作家が自ら富山の現地へ赴き取材を重ね制作した作品を展示します。地域で起きた歴史的出来事を現代の視点から捉え直す本作は、米価や生活の不安定さが繰り返し社会問題となる令和の今にもつながる課題を想起させ、私たちの社会や生活を見つめ直す契機を投げかけるものです。


松元悠 イメージのあなた