橋本尚恣展「イシキノリンカク」
開催概要
- 会期
- 2026年09月09日 〜 2026年09月20日
- 会場
- ギャラリー ターンアラウンド (宮城県仙台市青葉区大手町6-22 久光ビル1階)
- 参加クリエイター
- 橋本尚恣
- ジャンル
- アート
開催内容
このたびGallery TURNAROUNDでは、青森在住の版画家・橋本尚恣(はしもと なおつぐ)の個展「イシキノリンカク」を開催いたします。
橋本さんとのご縁は、東京芸術専門学校(TSA)まで遡ります。TSAは、現代美術家の斎藤義重らによって設立され、型にはまらない自由な表現と個別指導を特徴とした美術専門学校でした。当ギャラリー代表の関本も在籍しており、橋本さんはその先輩にあたります。年は少し離れているものの、卒業後もグループ展などでご一緒してきました。仙台で2010年に開催された「表現される現在2010 : ゼロイスト宣言in仙台」も、このTSAの卒業生たちによる展示でした。
その後、Instagramなどを通じて、青森で制作を続けられている橋本さんの作品を拝見してきました。お互いあまり歳をとる前に、また仙台で作品をお迎えしてお話を聞きたいと思い、今回の個展をお願いしました。
橋本さんは、金属板に直接針で線を刻み込む「ドライポイント」を中心に、モノタイプとして作品を刷り上げます。制作において大切にされているのは、置かれた線と余白のあいだに生じる張りつめた空気感や微妙な均衡です。
画面に現れる黒は単なる色合いではなく、インクの重なりや版の傷が生み出す「質感」であり、空間全体に静かに響く「気配」そのものです。明確な答えを示すのではなく、意味と無意味のあわいに漂うような曖昧さ、言葉になる前の原初的な感覚にこそ、表現の可能性が見出されています。
「版の傷や凹みから刷り取られた線質やマチエールは、別世界に属しているかのようです。それは意識の存在であり、問いかけです。答えはまだないのです。」
長年探求されてきた表現の現在地と、作品が纏う繊細な線の奥にある気配を、ぜひ会場でご覧ください。