いきものたち

開催概要

会期
2026年08月01日 〜 2026年08月31日
会場
YUGEN Gallery FUKUOKA (福岡県福岡市中央区大名2-1-4)
参加クリエイター
アド / 池上創 / 金子司 / 蔵野由紀子 / 黒田恵枝
ジャンル
アート

開催内容

YUGEN Gallery FUKUOKAでは2026年8月1日(土)〜8月31日(月)の期間、グループ展「いきものたち」を開催いたします。


動植物、菌類、そして空想上の生き物たち。5名の作家がそれぞれの素材と手法で“いきもの”を表現するグループ展。参加するのは、アド、池上創、金子司、蔵野由紀子、黒田恵枝です。


5名の作家が表現する“いきもの”

ケニアで野生動物の保全活動への参加、そして日本での動物園勤務の経験をもつアドは、生命のありようを描いている画家。画面に立ち上がるのは、生き物たちの気配と生命感です。私たちを見つめているような生き物たちの視線や佇まいは、ある種の緊張感とあたたかさを内包しています。

池上創は、吹きガラス・ホットワークの技法を用いて工芸と現代アートを横断するガラス作品を発表。ガラスは硬く半永久的に存在する素材でありながら、液体のように揺らぎ、瞬時に形を変えていきます。宙空に筆をとるようにして描かれる造形。その制作過程は身体の動きの軌跡であるとして、目には見えない生命エネルギーを表現しています。

金子司は、伝統的な萩焼の技法を用いて「くさびら(菌)」をモチーフとした陶芸作品を制作。くさびらとはきのこを表す古語。菌糸が地中で静かにネットワークを拡張しているさまは生命の循環と変容、歴史文化の継承を想起させるといい、作品を通して自然と人間との関係性について思考を巡らせています。

蔵野由紀子は、植物や身体をモチーフにした写実的な画風で知られます。本展では、油絵具を水彩画のように扱う手法によって、刻々と植物が変化していくさまを表現。絵画における花のモチーフは時に死や儚さをも意味しますが、それでもなお憂いなく生を全うする姿に望みを見いだし、その躍動感を動的な筆致で描き出します。

黒田恵枝は廃棄衣類から立体作品「もけもけもの」を制作。「もののけ」と「けもの」から名付けた空想の生き物には、あえて縫い目が残されています。「古来日本では縫い目には呪力が宿ると考えられ、ひと針ひと針を重ねる行為は祈りや儀式に通じる行為」だといい、すべてを手縫いし、新たな生命を立ち上げています。


目に見えない生命のダイナミズム

和紙や土、ガラス、衣類と各作家が扱うマテリアル。“いきもの”の姿かたち以上に、それぞれの素材がもつ論理が生命のあり方という主題を身体性をもって伝える点は本展の見所といえます。

アドが描くのは、“いきもの”の奥行き。池上は生命をかたちではなくプロセスそのものと捉え、可視化しています。金子司が示すのは悠久の時間とそこで語られる関係の物語、蔵野は植物を単なる静物ではなく、うねるように生成変化しつづける現象と捉え、黒田は身体性をともなった生命への祈りを実践しています。


動植物、菌類といった多様な存在が複雑に関係しながら世界を形づくっている。人間を中心に世界を眺めるのではなく、いきものとの交感から目には見えない関係性と時間のなかに生命が広がっていることを感じとります。

いきものたち