鏡裏睥睨 野切浅尾 個展
開催概要
開催内容
古来、姿や受け止められ方、言葉自体の意味などを変え続けながら存在している『幽霊』。
私は、よく分からないから怖い・恐ろしいとラベルを貼られる、幽霊となってしまった存在が持っていた、感情や思考を見つめ直したいと考えました。
幽霊の背景にある、恨みや報われなかった気持ちや、叶えられなかった虚しさや、ただ愛しい人に会いたいという切ない気持ちなどの、懊悩。
それはまるで生きている人と鏡写しの様に感じます。
そんな懊悩を抱えた幽霊の心の柔らかい部分に光を当て、恐ろしいだけではない部分を描くことをコンセプトとしました。
展覧会タイトル『鏡裏睥睨』(きょうりへいげい)は、生きている人と鏡写しである幽霊を指す言葉として選んだ『鏡裏』と、よく分からないから怖いと顔を背けずに真っ直ぐに見ることとして選んだ『睥睨』という言葉を合わせたものです。
作品は油彩作品15点、水彩レンチキュラー作品2点、ドローイングです。
ギャラリー檜eでの展覧会です。
作家のコメント
私は、実際に幽霊や怪談に関連する場所へ向かい、地域の方々から直接お話を伺い、自分なりに調べて考察をする事から、インスピレーションを得て、自分の作品を制作しています。
調査中には、時間の経過に伴って地域の方にも詳細を忘れられつつある、幽霊にまつわる歴史に触れる事もありました。
忘れられたことでよく分からなくなり、よく分からないから怖いとされ、誰も正面から見なくなり、更に忘れられていく…という事を、私は酷く寂しいと感じます。
そのため、恐ろしいだけではない作品として、幽霊を描いています。
今回の展示の見どころは以下のようになっています。
・両脇を二枚の油絵で挟んだ仏壇構成になっている油彩作品。(幽霊画)
・上下左右逆さまにしても成り立つ構成になっている油彩作品群。
・散らばる鏡や、此方と彼方を同時に映すマジックミラーを使用した油彩作品。
・見る場所によって描かれた絵の内容が変わるレンチキュラー水彩作品。