デザイン・クロニクル展 なにが生まれて、なにが変わった?

開催概要

会期
2026年10月09日 〜 2027年01月11日
会場
国立工芸館 (石川県金沢市出羽町3-2)
ジャンル
アート、クラフト
タグ
デザイン

開催内容

ドレッサー、ミュシャからブロイヤー、イームズまで工芸からモダン・デザインへとつづく100年の歩みを紹介

19世紀の急速な工業化は新しい素材や機械による大量生産をもたらしました。それまで職人が手仕事で制作していた物品を新しい素材や生産方式でつくるためには、抜本的な転換が求められました。工芸家たちは試行錯誤を繰り返し、やがて今日「デザイン」と呼ぶものが確立してゆきます。このように、デザインとは近代化によって生じた様々な課題に対応するために工芸から派生した新しいものづくりの考え方です。それはヨーロッパで生まれ、世界中へと広がってゆきました。本展では国立工芸館のデザインコレクションを中心に紹介し、19世紀後半のアーツ&クラフツ運動からアール・ヌーヴォーとアール・デコ、そしてバウハウスに代表されるモダニズム・デザイン、さらに第二次大戦後の展開までの100年あまりのデザインの流れをたどります。その歴史を知ると、現在私たちの身の回りにあるデザインを見る視点が広がり、きっとその新たな魅力に気づくことでしょう。

[みどころ]
・デザインの歴史を総合的に紹介する金沢移転後初の展覧会です。
 国立工芸館は工芸とデザインを専門的に扱う国内では唯一の美術館です。金沢移転後は、工芸とデザインを両方紹介する展覧会やグラフィック・デザインに特化した展覧会は開催していますが、立体と平面のデザインを総合的にご紹介するのは本展が初めてです。デザイン史を彩る珠玉の作品で、モダン・デザインの成立と展開をたどります。

・デザインって工芸とどこが違うの?歴史を知ればその本質が見えてきます。
 国立工芸館が工芸とともにデザインを対象としてきたのは、それらが密接に関連した営為として発展してきたからですが、その違いや境界線を説明するのは簡単なことではありません。本展では工芸からデザインが生まれた歴史的背景や経緯とともに作品を紹介します。その共通点や違いを知れば、それぞれの特徴や魅力が見えてきます。

会期中一部展示替えあり
前期:2026年10月9日(金)〜11月23日(月・祝)
後期:2026年11月25日(水)〜2027年1月11日(月・祝)

[展示構成]
1章 アーツ&クラフツ運動とアール・ヌーヴォー
 19世紀後半から20世紀初頭にかけて、動植物をモチーフとした流麗な曲線による装飾様式が流行します。それは急速な工業化や都市化により均整を欠いた社会や生活に不安を覚えた人たちによる、自然がもつ秩序や活力を取り入れたいという願いでもありました。生活の変化がもたらした新しいものづくりのアイデアは、やがてモダン・デザインの種となります。

2章 アール・デコ
 曲線を多用した装飾にかわり、1910年代後半からより大胆で幾何学的な装飾が流行します。1925年パリで開催された展覧会にちなみアール・デコと呼ばれるこの様式は、工業的生産に適した形態や装飾であると同時に、自動車や飛行機のもたらす移動の高速化や産業の機械化という「マシーン・エイジ」の到来を肯定的にとらえた新しい美意識の反映でもありました。

3章 モダニズム・デザイン
 第一次大戦後の1919年ドイツで設立された建築デザイン学校バウハウスでは、芸術と科学技術の統一を掲げ、新しい教育が展開されました。いかに装飾するかを問題としたデザイン黎明期から大きく転換し、生産効率や機能性を追求することで生まれた装飾のないフォルムは時代や地域を超えた普遍性を備え、今日まであらゆるデザインの基礎となっています。

4章 戦後の展開
 第二次大戦後もモダニズム・デザインは主流であり続けますが、一方でその画一化された禁欲的なデザインへの反動も起きました。機能や合理性だけを追求せず遊びやユーモアなどそれまで無駄とされた要素を取り込むことで、豊かなイメージを喚起させるデザインが登場します。無機質でクールなスタイルや装飾的で激しいスタイルなどが共存し、多様な展開を見せています。

デザイン・クロニクル展 なにが生まれて、なにが変わった?