暗闇をくぐってみたら Part2 笹岡由梨子展「渦巻」
開催概要
開催内容
現在改修工事中の市原湖畔美術館で開催する劇場型の個展シリーズ「暗闇をくぐってみたら」。ミュージアムショップの奥にある秘密の入口をくぐり、真っ暗な闇を進むとそこは日常とは異なる世界が拡がっている。展覧会に足を踏み入れた観客を、不思議な異世界へと導きます。
竹内公太展に続く第二弾は、キャラクターや歌を軸に独自の物語空間を生み出す、注目のアーティスト・笹岡由梨子が登場します。高滝ダム建設により湖底に沈んだ村の住人たちの記録写真と、美術館の前身である「市原市 水と彫刻の丘」の基となった「水中彫刻公園」構想図。笹岡は、村人たちを自ら演じ、構想図に触発されながら、歌い、遊び、記憶を交わすことで、この土地に堆積する歴史を身体的・空間的経験へと変換。湖畔の地に立ち現れる「あったかもしれない世界」を展開します。
Part2 出展作家:笹岡由梨子
<みどころ>
①笹岡がかつての村人たちを演じ歌う新作ビデオ・インスタレーション
当館がその畔にたたずむ高滝湖。その底には、かつてダムの建設によって沈んだ 110戸の村がありました。笹岡はそこに住んでいた住人へのインタビューや記録写真等、土地の記憶を手がかりに、新作ビデオ・インスタレーションを制作・発表します。
暗闇をくぐった先に現れる展示室で映し出されるのは、ビデオ作品《隣人》。映像では、ダム建設に伴い移住を余儀なくされた村人たちの当時の写真を参照するかたちで、笹岡自身が村人たちを演じ、自ら作詞作曲した歌を歌います。そこで展開されるのは、単なる失われた共同体の再現ではなく、写真という記録媒体に残された断片的な痕跡を身体表現とインスタレーションによって再構成したもう一つの地域史のすがたです。
②地下空間に現出する「幻の“水と彫刻の丘”」
地下の展示空間には、美術館の前身である「市原市 水と彫刻の丘」の構想の基となった「水中彫刻公園」に触発されたインスタレーションが登場します。遊戯性と追悼性の両義性をあわせ持つ空間は、土地の歴史と現代美術の新たな関係性を提示するとともに、鑑賞者を“もう一つの湖畔の地”へと誘います。