南青山・白白庵 企画 陶芸・谷口 晋也 展 格子を覗けば
開催概要
開催内容
日本の建築様式に無くてはならない「格子」は、日本人のアイデンティティをも表しているように思える。
古くは飛鳥時代に寺院建築が大陸から伝わった際、窓の意匠として用いられたことが格子の始まりとされ、その後次第に町屋にも広がり始める。
「うなぎの寝床」として象徴的な京都の町屋では、採光や通風を確保するための手段として、また同時に外からは内部の様子が見えないように、プライバシーへの配慮のため、様々な格子が広まった。
京都で生まれ育った谷口晋也にとっても、格子は極めて身近な存在であり、生まれてから今に至るまで「格子越しの眺め」は日常の景色であっただろう。
開放的とは言い難い「格子窓」は光や音を屈折させ、臨場感を一歩後退させる。
「縁側」が外と内との中間領域として日本人の心の情景であり続けているように、格子によって生み出される「境界」は、あからさまさや白々しさを好まない この国の心の置き場でもあるのかもしれない。
近年では伝統的な「格子」や「組子」が再び建築の世界で注目され、多くの意匠に使われている。
谷口晋也の作る器に施された意匠は、それらの建築技法のみならず日本で培われてきた「陰翳礼讃」の美意識や、名も無き民衆による藝術としての「民藝」を 今の時代に蘇らせる。
格子を覗けば、そこにはきっと、現代の人々の暮らしが見えるだろう。