京都dddギャラリー第253回企画展 アラン・キッチング:活版印刷の生ける遺産
開催概要
- 会期
- 2026年08月28日 〜 2026年10月21日
- 会場
- 京都dddギャラリー (京都府京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620 COCON烏丸3F)
- ジャンル
- アート
- タグ
- グラフィックデザイン、デザイン、ポスター、トークイベント
開催内容
活版印刷がまだ商業印刷の主役であった頃からキャリアをスタートしているアラン・キッチングは、イギリスを代表するタイポグラファ、印刷職人であるだけでなく、その名を世界に轟かせるレジェンドです。1950年代に植字工見習いとして活版印刷の世界に招き入れられたときには15歳だったキッチング、現在に至るまで70年以上にわたり、活版印刷の盛衰とともに歩んできました。
印刷工としての確かな知識と技術に裏打ちされた美しい文字組版。活版印刷が情報伝達の中心的役割を終えた1980年代から90年代にかけて制作・出版された大判印刷物「ブロードサイド」での、実験精神を恐れないタイポグラフィ。活版印刷の芸術的可能性への挑戦。さらに後年の「タイポグラフィック・マップ」(文字のみで構成された地図)で独自性を存分に開花させます。印刷を取り巻く流れや状況に影響されることなく、我が道を進んできたアラン・キッチング。一目見れば彼の作品であると分かるほど、他のなにものでもない、唯一無二の至宝です。
本展は、初期作品から最近作までを網羅、本格的にキッチングを日本で紹介する初めての機会となります。代表作はもちろん、アーカイブに眠っていた稀少な創作物、そして本展に合わせて刷り上げた新作と、まさに色とりどりな珠玉の作品がdddの壁面を埋め尽くします。活版印刷という技術への生涯にわたる献身と、コミュニケーションであると同時に芸術たり得るタイポグラフィの不変の力を体現する作品群に、心躍らされること間違いありません。
アラン・キッチング Alan Kitching
活版印刷におけるタイポグラファおよび印刷職人として、世界的に第一線で活躍する。1940年、イギリス・ダーリントン生まれ、15歳のときに植字工の見習いとして活版印刷の世界に入り、伝統的な職業訓練を通して文字と印刷に関する深い知識を培う。
1960年代初頭、ワトフォード工科大学で、タイポグラフィの実力者、アンソニー・フローショーと協働、実験的印刷ワークショップの設立に貢献。以降、キャリアはグラフィックデザイン、教育、印刷へと広がり、木活字や金属活字といった物理的制限をもつ伝統技と、大胆で現代的な視覚言語とを融合させてきた。1977年、オムニフィックのデレク・バーズオール、マーティン・リーとパートナー契約、1985年には同社への活版印刷機の導入を実現。
1989年に設立したロンドンにある自身のスタジオ「ザ・タイポグラフィ・ワークショップ」を拠点に活動。イギリス・サマセット州のリングトン・プリンターから入手した大規模な木活字コレクションを所有。世界中の文化機関、出版社、劇場、ギャラリーに向け、ポスター、書籍、切手、限定版プリントなど、数多くの優れた作品を制作。言語をダイナミックな視覚構成へと変換する、豊かな色彩使い、スケール感、テクスチャ、タイポグラフィが高く評価されている。
1994年、ロイヤル・デザイナー・フォー・インダストリー(RDI)任命、国際グラフィック連盟(AGI)会員。ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)名誉フェロー、ロンドン芸術大学(UAL)客員教授。