ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵
開催概要
- 会期
- 2026年09月19日 〜 2026年11月29日
- 会場
- 名古屋市美術館 (愛知県名古屋市中区栄2-17-25 [藝術と科学の杜・白川公園内])
- 参加クリエイター
- Claude Monet / Vincent van Gogh / Jean-Baptiste Camille Corot / Jean-François Millet / Henri Julien Félix Rousseau / Pierre Auguste Renoir / Paul Cézanne / Pierre Bonnard / Eugène Henri Paul Gauguin
- ジャンル
- アート
- タグ
- 絵画
開催内容
ドイツ・ケルン市にあるヴァルラフ=リヒャルツ美術館・コルブー財団は、約7万点のコレクションを誇る、ドイツ有数の美術館です。本展では、とりわけ優れた質と量を誇る印象派とその前後の作品70点が来日します。
19世紀後半、歴史的な主題や自然の忠実な再現を理想とするヨーロッパの伝統から、新しい表現を模索しようとする画家たちが現れます。クールベやマネ、コロー、ルソーらの画家たちは、庶民の生活に目を向け、森に入り、自らの目で見た自然を画面にとらえようとしました。その流れの中で誕生した印象派は、明るい色彩と細かなタッチを置いていく革新的な表現を生み出し、スーラやシニャックらはこの表現をさらに理論的に追求していきます。また、個人の感性に重きをおく印象派の姿勢は、ゴッホやゴーガンら個性あふれる表現者の出現をもたらし、マティスやボナールなど20世紀の色彩画家たちへと受け継がれながら、モダン・アートの本流を形成していきます。
本展では、印象派をめぐる42 名の画家たちの作品を通して、近代絵画の歴史における革新と、その世代を超えたつながりを感じていただけるでしょう。
[みどころ]
1.ゴッホの傑作《跳ね橋》が名古屋にやってくる!
《跳ね橋》は、ゴッホの黄金期とも言われる「アルル時代」に描いた代表作のひとつ。この頃のゴッホは気分が安定しており、創作意欲に満ちあふれていました。そんな前向きな心情を映し出すかのような、爽やかな光にあふれた傑作《跳ね橋》は名古屋初上陸となります。ヴァルラフ=リヒャルツ美術館が大規模改修工事に伴う休館予定だからこそ実現した本作の来日は、非常に貴重な機会です。
2.印象派をめぐる巨匠たちの作品がズラリ!
モネ、ルノワール、ピサロ、カイユボットら印象派の画家のみならず、印象派に影響を与えたミレー、コローらバルビゾン派、マネやクールベ、点描派のシニャック、スーラ、更には、ポスト印象派のゴッホやゴーガン、そしてマティス、ボナール、ユトリロまで。印象派を中心に、その前後を彩った42名の巨匠の絵画を一挙にご覧いただけます。
3.流れで見るから面白い、モダンアートの本流をたどる
19世紀後半、フランス美術の伝統から脱し、新しい表現を模索する画家たちが現れます。その中で誕生した印象派は、絵画表現に大きな変革をもたらしました。さらに、個人の感性に重きを置く姿勢は多様な表現へと広がり、20世紀の色彩画家たちへと受け継がれながら、モダンアートの本流を形成していきます。
本展では近代絵画の革新と、世代を超えたつながりを感じていただけます。
[展覧会構成]
第1章 印象派前
19世紀後半、フランスの官営サロンでは、歴史画を重視し風景画を物語の背景として低くみなすアカデミズムが主流となっていました。しかし、鉄道網の発達やチューブ絵具の開発など、社会の飛躍的な発展の波に乗るように、伝統から抜け出し、新しい絵画表現を模索する画家たちが現れます。マネは、サロンを主戦場としつつ、近代化するパリを生きる人々やその生活をありのままにとらえようとしました。イザベイやクールベ、ブーダンは、戸外に出て、自然を目の前にして制作を行いました。自らの目でとらえた自然をありのままに描き出そうとする彼らの姿勢は、ブーダンに勧められて絵を始め、クールベと親交のあったモネをはじめ、印象派の画家たちに大きな影響を与えました。
第2章 バルビゾン派
1830年代から40年代に、フォンテーヌブローの森のはずれにあるバルビゾン村に、画家たちが集まるようになります。コロー、ミレー、テオドール・ルソーら「バルビゾン派」と呼ばれる画家たちは、目の前に広がる風景を、歴史画の中の一部としてではなく、独立したテーマとして描き出します。彼らが描く穏やかな田園風景は、慌ただしく生きる都市の生活者を魅了しました。またゴッホは、ミレーが描いた農民の崇高さを大いに称賛しました。
第3章 印象派
戸外に出て、光の効果を描き出そうとする印象派の画家たちは、細かなタッチを画面に残す「分割主義」と呼ばれる独特の技法を生み出します。1874年に開かれた第一回印象派展では、伝統的な技法を無視した表現は、「稚拙」や「未熟」という批判を受け、「印象派」という言葉が生み出されます。しかし、印象派の画家たちがもたらした革新は、表現技法以上に、筆跡によって、個人の感性を画面に残したことにありました。個人の主観でとらえた一瞬の印象を描き出す印象派の作品は、自然の模倣を重視してきたアカデミーの伝統を覆し、より自由な表現への地平を切り開いたのです。
第4章 ポスト印象派
個人の感性に信頼をおく印象派の姿勢は、のちに多くの個性豊かな表現者を生み出すこととなりました。「ポスト印象派」とは、1880年前後に印象派が分岐し、さまざまな方向へ展開した芸術動向を総称する呼称ですが、この章では、その中心的存在とされるセザンヌ、ゴーガン、そしてファン・ゴッホの作品を通して、印象派以後の絵画が拓いた表現の軌跡をたどります。
第5章 点描派
1886年、最後の印象派展の中心的な画家はスーラやシニャックら「新印象派」と呼ばれる画家たちでした。彼らは、筆触を分割する印象派の技法をさらに理論的に追求し、小さな点を科学的根拠にもとづいて画面に配置する「点描」という技法を編み出し、明るい色彩に満ちたイメージを生み出しました。この新しい技法は、ベルギーやオランダなど周辺国にも広まり、さらに、色や形などの絵画的な要素を追求する20世紀のモダン・アートへの、大きな足がかりとなりました。
第6章 20世紀の色彩画家
20世紀の幕開けとともに、西洋美術は大きな転換点を迎えます。マティスやドンゲン、ヴラマンクらは、新印象派の技法の追求の末、色彩そのものの可能性を追求します。大胆な原色と荒々しいタッチによって色彩の解放を果たした彼らは「フォーヴィスム(野獣派)」と呼ばれるようになりました。また、ボナールやドニらの「ナビ派」と呼ばれる画家たちも、装飾的で調和のとれた色面表現によって、画家の内面や精神性を映し出しました。