国立美術館 コレクション・ダイアローグ 松方幸次郎 × 山村德太郎 蒐集のパッション ―ロダンを日本へ、具体を世界へ

開催概要

会期
2026年10月10日 〜 2026年12月27日
会場
兵庫県立美術館 (兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 [HAT神戸内])
ジャンル
アート
タグ
絵画

開催内容

いまから約100年前、松方幸次郎(1866-1950)はヨーロッパで西洋美術の一大コレクションを形成しました。「共楽美術館」という美術館を建設して、日本に西洋美術を普及するという志を立てて。そして、松方からちょうど60年後に生まれた山村德太郎(1926-1986)は、兵庫県西宮市を拠点に1950年代半ばから美術作品の蒐集を開始。公共の財産になることを見すえながら、約30年をかけて戦後日本を対象とした国内有数の前衛美術コレクションを築いたのです。彼らの願いは、現在それぞれのコレクションを収める国立西洋美術館と兵庫県立美術館に受け継がれています。
松方の生誕160年と山村の生誕100年を記念した本展は、国立美術館連携事業の一環として、鑑賞機会の充実とコレクションの活用促進を図るため実現しました。松方コレクションからはロダンの彫刻など近代美術を、山村コレクションからは具体美術協会を中心にした戦後前衛美術を出品します。兵庫ゆかりの二人のコレクターが築いたコレクションの「ダイアローグ=対話」、ひいては二つの美術館のダイアローグを通じて、先人がコレクションに託した夢とそのつづきを辿ります。

[みどころ]
■松方コレクションと山村コレクションの共演
本展は、両コレクションをともにご紹介する初めての機会になります。西洋近代美術と戦後日本の現代美術という性格の異なる両作品群ですが、どちらもより多くの人々に美術鑑賞の機会をという願いをこめて集められた、コレクターとしての松方と山村の功績を伝えるものです。素晴らしい作品が揃うこの機会に、二人が思い描いた夢の光景に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

■ロダンの代表作《地獄の門》を特集
東京の国立西洋美術館からオーギュスト・ロダンの彫刻をまとめてお借りするまたとない機会になります。今回は、松方がはじめての鋳造に貢献した《地獄の門》に関連する彫刻11点と、ダンテ・アリギエーリの『神曲』「地獄篇」をもとに自由に構想を展開させた初期習作の複製をまとめてご紹介します。

■国立西洋美術館と兵庫県立美術館のダイアローグ
「コレクション・ダイアローグ」のテーマにふさわしく、本展では両館のコレクションの対話も試みます。ロダンの《オルフェウス》2点の比較や、ロダンとジョージ・シーガル作品の対峙によって彫刻の鋳造や、概念と技法の変遷にまつわる彫刻の諸問題にも言及します。また、山村が初期に集め、国立西洋美術館に寄贈された西洋美術のコレクションをお借りすることで、山村コレクションの成り立ちをより視覚的に理解することのできる貴重な機会にもなります。

■彫刻をテーマにしたシンポジウムの開催
ロダンおよび現代美術の彫刻・立体作品が揃う機会を記念して、国内では稀な彫刻・立体をテーマにしたシンポジウムを開催します。ロダン作品の技法や材質について、また美術館における彫刻・立体作品の修復とメンテナンスをテーマに、国内各所からお招きする専門家の方々に発表とセッションを行っていただきます。

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松方幸次郎と山村德太郎

松方幸次郎(まつかたこうじろう)1866-1950
明治の元勲・松方正義の三男に生まれる。1896年川崎造船所の初代社長に就任。神戸新聞、神戸瓦斯の社長、衆議院議員等も務めた。第一次世界大戦中のロンドン滞在時にコレクションを開始し、幅広い年代とジャンルの作品を一挙に蒐集。総数約1万点ともいわれる作品群は、関東大震災や昭和の金融恐慌の影響を受けて会社の経営が傾いたことにより散逸してしまう。
パリに保管されていた約400点が戦後、日本に寄贈返還されることになり、その収蔵展示施設として1959年に国立西洋美術館が開設された。

山村德太郎(やまむらとくたろう)1926-1986
兵庫県西宮市に生まれる。
1948年に山村製壜所所長に、1955年には山村硝子株式会社取締役社長に就任。この頃より母ハルとともに美術作品の蒐集を開始。当初は国内外の近代美術を集めていたが、母の死を機に方針を転換して、戦後日本の前衛美術に対象を定めた。その結果、海外作家の作品8点を国立西洋美術館に寄贈している。1983年に社長を退任して蒐集活動は加速するも、3年後に志半ばにして逝去。翌年、164点のコレクションが兵庫県立近代美術館に収蔵された。

国立美術館 コレクション・ダイアローグ 松方幸次郎 × 山村德太郎 蒐集のパッション ―ロダンを日本へ、具体を世界へ