戸山 恢 個展 小さな抵抗
開催概要
開催内容
カーボン紙、和紙、銀筆、鉛筆、定規などを使ったドローイングと、郵便振替用紙を使った「社会彫刻※」作品。作品点数約30点。
※「社会彫刻」とは、ドイツの芸術家ヨーゼフ・ボイスが提唱した芸術概念の一つで、材料となる物質だけでなく社会全体に働きかける芸術のあり方を指している。
作家のコメント
今回の展覧会では、定規を使って規則的な直線・曲線を繰り返し描くドローイング作品を出展します。この一見、没個性的な行為によって、具象からも抽象からも離れた作品制作を目指しています。
それぞれの作品には、制作を開始した日と、終了した日付をスタンプで押しています。会場では、それらの作品を制作した時系列順に配置することによって、繰り返し線を引くという行為が、作家本人にとっても、観客にとっても実在した特定の時間の流れの中で行われたことを強調します。
また、この制作のなかでは「美しい」形や色彩を極力排除し、線を引く行為に純化することで、「美しさとは、個性とは何か」というラジカルな問いかけをしていきたいと考えています。
また本展では、私が過去14年間、郵便振替用紙を使って電気料金を支払うたびに電力会社に伝えてきた原子力発電と放射能汚染への抗議のメッセージを展示します。ドローイングの場で無数に繰り返される線と、送金システムを利用した抗議活動の繰り返しはリンクしており、この2つの軸から問題提起を試みます。