山崎雅未「NEO KYOTO ― Imagining the City ―」

開催概要

会期
2026年07月11日 〜 2026年07月23日
会場
京都文化博物館 (京都府京都市中京区三条高倉 京都文化博物館)
参加クリエイター
山崎雅未
ジャンル
アート
タグ
絵画

開催内容

株式会社メルコグループと京都文化博物館は、2026年7月11日(土)より、画家・山崎雅未による個展「NEO KYOTO ― Imagining the City ―」を開催いたします。
本展は、現在、京都を拠点に国内外で活動を展開する山崎にとって、京都では初となる大規模個展です。

山崎雅未は、都市の夜景を時間や記憶が重なった風景としてとらえ、強度と速度のある筆致で描いてきました。暗闇に浮かび上がる光の色彩は、どこにも存在しない風景にもかかわらず、どこか記憶にあるような風景を立ち上げます。

本展では、京都で制作された新作や、幅約10mに及ぶ大型作品を含む約100点を展示します。油彩を中心に、水彩やドローイング、さらにはデカルコマニーによる偶然性を取り入れた作品群を通じて、より抽象度の高い心象風景が展開されます。
また、展覧会の導入部では、Akiyoshi Yasudaとの協働による楽曲「Any」と、それに呼応する作品による空間構成を行い、視覚と聴覚を横断する体験を提示します。

山崎が一貫して探求してきたのは、都市が「生成され続ける構造」と、「現実とイメージの“記憶/既視感/未来像”が混ざり合う感覚」をいかに絵画として定着させるかという問いです。京都に滞在し制作を重ねてきた本展では、歴史の蓄積と現在が交錯する都市=京都の新たな像が提示されます。


ステートメント
大阪府高槻市に生まれ兵庫県宝塚市で育った私にとって、京都は近くにありながら、どこか遠い場所でした。2025年6月から京都にアトリエを構え、この街で暮らしながら制作するようになってから、私が少しずつ感じるようになったのは、京都では歴史が過去のものとして閉じられているのではなく、今の感覚の中に静かに混ざり込みながら生きているように思えます。

私にとって京都は、強く意味を背負った主題というより、制作を邪魔せず、画面の奥に静かにあり続ける透明な存在です。近年、生成AIを制作に取り入れているのも、そうした透明さに惹かれているからかもしれません。そこでは、自分の意図だけではたどり着けないイメージが立ち上がり、思いがけないかたちで風景の構造が現れてきます。

私は主に夜の景色を描いていますが、夜景そのものに特別な関心があるわけではありません。私が惹かれているのは、画面の上で色と色が混ざり合い、変化し、自分の想像を超えた景色が立ち上がってくる、その過程です。デカルコマニーによって現れる偶然の形も、そうした生成の一部だと感じています。シュルレアリスムの画家たちによって広まったこの技法は、今でも新しい像を生み出す可能性を持っていると思います。私にとって生成AIもまた、時代は違っていても、像が生まれる瞬間に触れるための方法のひとつです。

私が画家を志した原点は、中学生の頃、大阪の画材店でドイツ・シュミンケ社の固形水彩絵具を水彩紙にのせた瞬間の感動にあります。はじめてその感覚に触れたときの驚きは、今でも制作の根底にあります。だから私は、手癖や慣れによって描くことをいつも警戒しています。自分の中にある小さな灯と偶然によって立ち上がる世界とが重なり合うとき、制作は少しずつ深まり、その先にまだ見たことのない風景があるように思うからです。

この展覧会は京都という時間の堆積を抱えた場において、絵画における生成の問題を問い直す試みです。保存され、継承されてきた時間の厚みと、いまここで不確かに立ち上がる像。そのあいだに開かれる緊張関係のなかで、絵画がなお更新されうる場を探ろうとしています。


会場は京都文化博物館・本館5Fミュージアムギャラリーです

山崎雅未「NEO KYOTO ― Imagining the City ―」