スイス絵画の異才 カール‧ヴァルザー
開催概要
開催内容
カール‧ヴァルザーは、20世紀前半に活躍したスイスの美術家です。20歳代からの約四半世紀をドイツの⾸都ベルリンで過ごし、象徴主義や印象主義など新しい芸術潮流に触れながら、優美な線や⾊彩に深い意味を潜ませた、独⾃の画⾵を築きました。画家として、当時最先端の美術団体であったベルリン分離派の中枢を担う⼀⽅で、新進気鋭の演出家マックス‧ラインハルトと協働するなど、舞台美術家としても活躍。書籍の挿絵や室内装飾、壁画も⼿がけました。1908年(明治41)には⽇本へ旅⾏し、京都の宮津をはじめ各地に滞在。歌舞伎や祭など、明治期の⽇本の⾵俗や⾵景を⽣き⽣きと描いています。⽣前の⼈気にもかかわらず⻑らく歴史の闇に埋もれていたヴァルザーは、祖国スイスでも近年に再評価が始まったばかりです。本展は⽇本初の回顧展であり、出品作すべてが⽇本初公開です。スイス絵画の異才、ヴァルザーの創作の軌跡を、絵画や素描など約150点の作品でご覧ください。
[展⽰構成]
■ 第1章 絵画と素描
本展最初の章では、ヴァルザーの画家としての歩みをたどります。早熟の才がうかがえる故郷での修業時代の作品にはじまり、流麗な線と精妙な⾊づかいで描かれたベルリン移住当初の象徴主義的な油彩画や⽔彩画、そして⼤らかな筆致や⾊⾯が顕著となる1910 – 20年代の油彩画などを展⽰し、変化に富んだ画業の諸相をご覧いただきます。
■ 第2章 ⽇本滞在
1908年(明治41)に⽇本を旅したヴァルザーは、⽇本各地の⾵景や、そこに暮らす⼈々の⽣活、祭礼、娯楽などを、⾊鮮やかな⽔彩や素描で数多くスケッチし、油彩画の⼤作も描きました。東京と宮津では歌舞伎役者やその上演場⾯を、京都では祇園祭や納涼床を描いています。本章では画業のハイライトの⼀つでもある、⽇本を描いた⼀連の作品を展⽰します。
■ 第3章 挿絵と装幀
ヴァルザーは1902年より本の装幀に携わり、1904年に挿絵を描き始めました。本章では弟ローベルト‧ヴァルザーをはじめ、トーマス‧マンやヘルマン‧ヘッセなど、数々の作家による著書のための仕事を紹介。挿絵の原画や版画、またヴァルザーが表紙をデザインした書籍を展⽰します。
■ 第4章 舞台美術
ヴァルザーは舞台美術家としても⼈気を集め、マックス‧ラインハルトをはじめとする演出家や劇場監督たちとの仕事は⽣涯で28件を数えます。本章では『ロミオとジュリエット』『フィガロの結婚』『カルメン』など様々な戯曲やオペラのための仕事を紹介。⾐装デザインや舞台装置の下絵などを展⽰します。
展示会場は、⼤阪中之島美術館 4階展⽰室です。