Kunihiko Katsumata WAR REQUIEM I
開催概要
開催内容
このたびKOKI ARTSでは、美術家/写真家・勝又公仁彦による個展《WAR REQUIEM I》を開催いたします。当ギャラリーでの3度目の個展となる本展では、昭和100年・戦後80年という節目を迎える2025年にあわせ、長年にわたり発表してきた2つのシリーズ──硫黄島を題材とした《硫黄島へ》と、広島・長崎で被爆樹を撮影した《Remains》──を再構成してご紹介いたします。
勝又が戦争や争いに敏感に反応してきた背景には、歴史を深く理解し、日本という国の根源に迫りたいという強い想いがあります。自身を平和主義者としながらも、陸上自衛官の父のもと、実弾演習の音が日常的に響く静岡県御殿場市で育った原体験に加え、親族には少年期に防衛庁長官を務めた人物がいます。また、母の叔父の一人は10代で志願し硫黄島で戦死、もう一人は海上自衛隊員でした。こうした家族的・地理的背景が、勝又の視座を形づくっています。
《硫黄島へ》(英題: To Iwo Jima)と《Remains》に通底するのは、戦争や原爆による甚大な被害のみならず、戦後も物言わぬまま静かに生き抜いてきた存在へのまなざしです。声なきものへの共感から生まれた勝又の作品は、記憶と向き合い、鑑賞者に静かな問いを投げかけます。
勝又公仁彦(静岡県生まれ)は、早稲田大学法学部卒業、インターメディウム研究所修了。現在、京都芸術大学教授・多摩美術大学非常勤講帍 。多様な被写体のもとで「時間」「光」「場所」などをサブテーマに、常に写真と映像の構造に触れる作品を展開。主な受賞に「さがみはら写真新人奨励賞」(2001年)、「日本写真協会新人賞」(2005年)。主な展覧会に《Photography 写る、写す 7人の現代作家》(大阪府立現代美術センター、2001年)、《サイト―場所と光景:写真の現在 2》(東京国立近代美術館、2002年)、《Natura Morta》(Leica Gallery Solms、ドイツ・ライカ本社、2006年)、《Dwelling》(世田谷美術館主催、2008年)、《勝又邦彦展》(森アーツセンター六本木ヒルズクラブ、2011年)、《都市の無意識》(東京国立近代美術館、2013年)、《あいちトリエンナーレ2016》(岡崎康生会場、『トランスディメンション-イメージの未来形』、2016年)、《写真都市展 −ウィリアム・クラインと22世紀を生きる半 真家たち−》(21_21 DESIGN SIGHT、2018年)など。東京国立近代美術館、世田谷美術館、沖縄県立博物館・美術館など国内外の主要なコレクションに作品が収蔵されている。