辻はる子展 ーダイオウマツに諭されながらー
開催概要
- 会期
- 2025年08月19日 〜 2025年08月31日
- 会場
- リベストギャラリー優 (東京都武蔵野市吉祥寺本町2-26-10)
- 参加クリエイター
- 辻はる子
- ジャンル
- アート
開催内容
自然と語らうかたち——辻はる子の詩的抽象
辻はる子による個展《ダイオウマツに諭されながら》は、自然との静かな対話をテーマとした詩的な抽象表現が展開される展覧会です。会場となる吉祥寺のリベストギャラリー優の空間に広がるのは、形とかたちの間に生まれる沈黙と余白——自然に耳を澄ませるような時間の流れです。
DMに掲載された作品イメージからは、切り絵や版画、コラージュ的手法を思わせる抽象的なかたちが配置されており、それぞれが互いに干渉することなく、静かに共存しています。深緑の葉のような形、鉱物を思わせる断片、あるいは舟のような影。それらは具象と抽象のあわいに漂いながら、観る者にイメージの自由を許しています。
展覧会タイトルに含まれる「ダイオウマツ」は、アメリカ西部に自生する樹齢数千年を誇る古代の松、bristlecone pineを想起させます。その「諭されながら」という表現には、自然をただ見つめるのではなく、その沈黙に身を委ね、語られるものに耳を傾ける姿勢が込められているようです。
辻の作品は、素材との対話を大切にしています。紙、布、版材といった要素が、かすかな手の痕跡を残しながら組み合わされ、それぞれが時間や記憶を孕んだかのような存在感を放っています。目立つことを避けるその構成は、むしろ見る者の身体感覚や感情をゆっくりと引き出す力を持っています。
本展は、都市の喧騒のなかにひとときの「緑陰」をもたらすような空間です。真夏の吉祥寺で、木々の声に耳を澄ませるように、辻はる子の作品世界に静かに佇んでみてはいかがでしょうか。