まど・みちおのうちゅう ― うちゅうの あんなに とおい あそこに さわる ―

開催概要

会期
2025年04月27日 〜 2025年06月29日
会場
宇都宮美術館 (栃木県宇都宮市長岡町1077)
参加クリエイター
まど・みちお
ジャンル
アート
タグ
絵画

開催内容

まどさんーー「ぞうさん」(1952年)「やぎさん ゆうびん」(1951年)などの童謡の作詞者として、 たとえその名は知らないままであるにせよ、誰もが幼い心に親しませた詩人 、まど・みちお(1909-2014)。 いつしか彼は敬愛をこめて、読者から「まどさん」と呼ばれるようになりました。

これらの童謡を世に送り出したのち、人生の半ばを迎えた詩人は、1961年から64年にかけての4年間、人知れず絵の制作に没頭します。 その大半は抽象画でした。「この世のどこにもない世界、この世にひとつきりの、自分の世界を描きたいと思ったのです」。 描かれたのは、 宇宙に直結するかのような深い響きを宿すイメージ の数々でした。 驚くべき集中度で「ことばではいいきれない」 ものに沈潜したこの時期を経て、1968年、まど ・みちお は 、第一詩集『てんぷらぴりぴり』を上梓します。 以後、100歳を越えるその生涯をつうじ、平明で虚飾を排した詩境はますます深まっていきます。

一言一句に身を削る童謡や詩とはちがって、発表の意図なく描き継がれたそれらの絵は自由な創意にみち、けれども余技と呼ぶにはあまりに峻烈に目を射抜くひたむきさに輝いています。 絵に向き合う 人は 、見知らぬ 遥かな懐かしさから小さな存在へと注がれる、 深々とした慈しみに身を包まれることでしょう。

本展では、周南市美術博物館の収蔵品より精選した約60点を中心に 、まど・みちおが描きためたこれらの絵画作品をまとめて展観します。同時に、創作ノートや原稿、編集者時代に手がけたカットなど約240点の資料で、稀有な詩人「まどさん」の生涯をたどります。

みどころ
宇宙を感じる展示空間
小さなものたちの存在の淋しさと、それらを包む大きく深いもの。
ふたつが結び合わされたまど・みちおの絵を、一枚一枚が宇宙の中で響き合うように構成された会場で、心ゆくまでご覧いただきます。

まどさんの現場にふれる
思索を綴ったノート、推敲の跡を示す自筆原稿、机まわりの愛用品など、貴重な資料で創作に打ち込んだ詩人の姿を伝えます。

8K映像で独自の絵画技法にせまる
ぐるぐると塗りつぶす、ひっかく、紙の表面を削る……。
独学で描いたまど・みちおは、クレヨンやボールペンなどの身近な画材を用いながらそれらを複雑に組み合わせ、紙を耕すように、稠密で多層的な画面を作り上げました。
宇宙の息吹きに共振するその筆致を、高精細映像がマクロのレベルで捉えます。

まど・みちおのうちゅう ― うちゅうの あんなに とおい あそこに さわる ―