略画 ― はずむ筆、おどる線―
開催概要
開催内容
葛飾北斎は、70年に渡る⻑い画業の中で様々な分野に活躍しましたが、50歳代以降の北斎が⼒を注いだものの⼀つに「絵⼿本」が挙げられます。絵を学ぶ⼈の⼿本である絵⼿本を北斎は複数制作しています。それらの絵⼿本作品のうち、今⽇でも北斎の代表作としてよく知られているのが『北斎漫画』です。この『北斎漫画』の制作には、北斎と同時代の絵師である鍬形蕙斎の『略画式』という略画の絵⼿本が⼤きなヒントになったと⾔われています。「略画」とは、対象の形を省略して捉え簡潔な筆線で描き出す絵のことです。『北斎漫画』に限らず、様々な絵⼿本作品の中で北斎は略画を描きました。
さて、北斎による『今様櫛きん雛形』にも略画のデザインが収録されています。櫛やキセルの図案集であるこの本に略画が描かれていることからは、略画が単なる「簡略な絵」ではなく、簡潔な形そのものが意匠的な魅⼒を備えたものとして当時の⼈々に受け⽌められていたことが窺えます。
本展では、館蔵の版本作品の中から略画で描かれた⼈物や動物、草花をご紹介し、その魅⼒に迫ります。細部が省略されていても対象の特徴が失われることなく⽣き⽣きと動き出すような略画の世界をお楽しみください。
[みどころ]
⼩さくて楽しい略画の世界
細かな形を省略していても対象の特徴や動きが失われずに、いきいきとして⾒えるのが略画のおもしろさの⼀つです。
また、ひとつひとつのモチーフは⼩さくともそれらが集まって⼀つのページを構成する様は賑やかです。それぞれのモチーフをじっくり⾒て、その後、⼩さなモチーフが散りばめられた画⾯全体を眺めても楽しめます。