⽯⿊ 昭:個展「銀⾊の⽉明かりの下で」

開催概要

会期
2025年01月31日 〜 2025年02月16日
会場
ART FRONT GALLERY (東京都渋谷区猿楽町29-18 ヒルサイドテラス A 棟)
参加クリエイター
石黒昭
ジャンル
アート
タグ
復興支援、現代アート

開催内容

この度、アートフロントギャラリーでは初めてとなる⽯⿊昭の個展を開催いたします。
ぜひご⾼覧賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

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見どころ
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●新しい作品シリーズを展開
石黒昭が数年に渡りリサーチしてきたカルスト地形をテーマにした新シリーズのインスタレーションと写真、立体を展開。大地の表層に着目することで、地層奥深くに広がる壮大な世界を想起させると共に人々の想像力を刺激します。

●恵比寿映像祭 地域連携プログラム
例年に引き続き、東京都写真美術館で開催中の恵比寿映像祭2025と連携。近隣のアートスポットを紹介するシールラリーも開催します。

●同時開催展示もご覧いただけます
別室では「Art Front Selection」として、モロッコ出身のアーティスト ムニール・ファトゥミの東京では初展示となる映像作品を展示します。https://www.artfrontgallery.com/exhibition/archive/2025_01/5082.html 

作家コメント
2023 年 5 ⽉に初めて秋吉台を訪れた際に地表に現れている幾つもの⽯灰岩柱が地下では⼤きなひとつの⽯灰岩の塊であることに私は興味を持ちました。

秋吉台は⼭⼝県美祢市秋芳町秋吉に位置する⽯灰岩で出来ている台地で、⽇本最⼤のカルスト地形として知られています。総⾯積は約 100km² に及び、場所によりその厚さは少なくとも1000m 以上に達す
ることが分かっています。

時間を遡れば南⽅の温かい海でサンゴ礁として誕⽣した秋吉台は、約 3億5000万年前の古⽣代⽯炭紀からペルム紀にかけて炭酸カルシウムの硬い殻を持つ⽣き物の遺骸が海底に堆積して⽯灰岩へと変化し、海から⼭へ数百メートルの厚さになるまで堆積していきます。 そこへ⾬⽔や⼟壌⽔に⼤気中の⼆酸化炭素が溶け込み弱酸性となった⽔が流れ込むことで⽯灰岩が溶⾷されて現在の地形になりました。さらに⽔分は⽯灰岩の岩盤を通り抜け、地下⽔に含まれた炭酸カルシウムが再び固まって鍾乳⽯が形成されます。⽯灰岩が⽔に溶けたり固まったりしてその姿を⾃在に変えて壮麗な地下空間を作るのです。

秋吉台の遮るものが何もない空と稜線の彼⽅まで続くゴツゴツした⽯灰岩柱の景⾊を歩いていると⾍觀の視点で地球の表層に⽴っているような錯覚を覚えます。私の視界に収まりきらない⾃然を統計的な全体として捉えたとき、その⼀部を写し撮ることで⾃分が地球上に存在していることを実感するのです。

私は⽉明かりの下で⻑時間露光により秋吉台の同じ場所を撮影した 6 枚の写真を重ね合わせ、それぞれの露光時間を⾜した⻑さの映像作品を制作しました。また、フラッシュを焚くことにより意識的に画⾯にコントラストを与えて映像の⼿前の⽯灰岩へと視線を誘導します。それと同じ形の⽴体物を制作し、秋吉台で採れる数ある⽯灰岩の中でも希少な淡雪の⼤理⽯柄を表⾯に描きました。この擬似⽯灰岩を映像と重ね合わせるようにして床や壁をスクリーンとして映像を投影します。

暗室の中で照らし出された磨かれた擬似⽯灰岩は光を反射し鑑賞者を惹きつけますが近づくと彼ら⾃⾝の影により隠れてしまうでしょう。それは同様に現地の⽉明かりの下で私がその⽯灰岩を私⾃⾝の影で隠していることに気付いたという些細な出来事と重なります。そのわずかな時間に会場のプロジェクターの光は⽉の光に変わり、鑑賞者は私の気付きを追体験することになるでしょう。

こうした現実と知覚のギャップを埋めながら、私たちの地球を形作っている⽬に⾒える⼒と⽬に⾒えない⼒を想像していただければと思います。

⽯⿊ 昭

⽯⿊ 昭:個展「銀⾊の⽉明かりの下で」