今村源 遅れるものの行方
会期: 2023-11-03 - 2024-01-28
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
インスタレーション
開催内容
現代美術家の今村源は、普段、気にも留めないありふれたものに、少しの隙間を加える、あるいは天地を入れ替えたり裏返したりすることで、ユーモラスな造形でありつつも、その軽く透明感のあるイメージから一転、日常と表裏一体にある深遠な世界を観る人に想起させる作風で広く知られています。ボール紙、発泡スチロール、石膏、針金やビニールなど、およそ彫刻らしからぬ軽い素材で、浮遊感溢れる「彫刻」を制作してきた今村の作品の根源には、彼が関心を寄せる森の地下に菌糸を張り巡らし、ときおり地上に姿を顕すキノコの世界があります。人間には見えない世界で、しかし確実に世界と共生し、世界を支えている菌類へと向けられた今村の思索は、私(個)を超えて連綿と続く生命の営みへと広がっていきました。本展は、1980年代前半より京都を拠点に制作活動をスタートさせ、いずれにも寄らない独自の哲学的作風で早くから注目を集めてきた現代美術家・今村源の10年ぶりとなる美術館の個展となります。
みどころ
● 美術館では 10 年振り、関東初の個展
京都を拠点に活動する今村は、主に関西を中心に紹介されてきました。今村のいずれにも寄らない作家独自の哲学的作風で早くから注目を集め、美術関係者はもとより、多くの作家から支持を得てきました。本展は、2013年に静岡市美術館で開催された「Shizubi Project 3 - わた死としてのキノコ・今村源」以降、大きな展覧会10年振り、関東以北では初となる美術館での個展となります。過去作から本展に際し制作される最新作まで、60点近くの作品とともに今村の活動を紹介します。
● 当館エントランスホールに巨大なキノコが寄生
2019年夏、宮城県石巻市・牡鹿半島を中心に開催された「リボーン アート・フェスティバル 2019」にて今村が発表した巨大なキノコの彫刻作品《きせい・キノコ‐2019》が、当館エントランスホールに再び登場します。磯崎新が設計した当館に寄生する巨大なキノコをぜひご覧ください。