田沼武能 人間讃歌

開催概要

会期
2022年06月02日 〜 2022年07月30日
会場
東京都写真美術館 (東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)
参加クリエイター
田沼武能
ジャンル
写真

開催内容

ヒューマニスティックなまなざしで70年以上写真を通して
人間のドラマを描き続けてきた日本写真界の巨匠、田沼武能の傑作を展示!

 田沼武能は、東京写真工業専門学校現・東京工芸大学卒業後、写真家・木村伊兵衛に師事し、『芸術新潮』の嘱託写真家として芸術家や文化人を撮影、その後はタイム・ライフ社の契約写真家となるなど、フォトジャーナリズムの世界で華々しい活躍を展開しました。1972年からはライフワークとして世界の子供たちを撮影、黒柳徹子ユニセフ親善大使の各国訪問に私費で同行取材を行い、生涯で130を超える国と地域に足を運びました。

 田沼は国内外で精力的な取材活動を展開し、自身の作品を発表し続け、その旺盛な好奇心と行動力は生涯衰えることはありませんでした。その一方で、母校・東京工芸大学で後進の指導にあたり、日本写真家協会会長、日本写真著作権協会会長、日本写真保存センター代表など写真界の要職を歴任しながら、わが国の写真文化の普及啓発、写真の著作権保護にも力を注ぐなど、大きな役割を果たしました。本展では未発表最新作「武蔵野」を初公開するとともに、ヒューマニスティックなまなざしで人間のドラマを描き続けてきた田沼の70年を超える写真家としての軌跡を辿ります。



逝去後、初となる大規模回顧展!205点の傑作を一挙展示
田沼武能は1929年に東京、浅草の写真館の子として生まれました。2022年6月に93歳で急逝するまで、70年あまり写真家として活躍し、日本写真界に多大なる功績を残しました。本展は、田沼の逝去後初めて開催する大回顧展です。

3章構成で辿る、70年以上にわたる写真家人生の軌跡
第1章「戦後の子供たち」
 自身も思春期を戦時下で過ごし、東京大空襲で凄惨な経験をした若き日の田沼は、生まれ育った下町で終戦後の東京で生きる子供たちの姿を活写しました。田沼は、著書(※)の中で「子供は地球の鏡であり、歴史の鏡であり、時代の鏡である」という考え方を示しています。戦後の荒廃した日本で強く、たくましく生きる子供たちの姿とそのまなざしは、観るものを魅了する力強い生命力を感じさせます。
 第1章「戦後の子供たち」では、生き生きとした子供たちの姿と、彼らが映す今は失われた昭和の日本の姿を63点の作品を通して伝えます。
 ※『田沼武能写真集戦後の子供たち』新潮社、1995年より

第2章「人間万歳」
 何よりも人間の「生きる姿」に興味を持った田沼は、生涯のライフワークとして世界の子供たちをはじめ、世界の人々の写真を撮影することに注力しました。1975年以降は発展途上国の子供たちにも目を向け、1984年からは黒柳徹子ユニセフ親善大使の緊急援助国訪問に毎年自費で同行取材を行いました。この同行取材は、新型コロナウイルス感染症拡大により海外渡航が制限される前年の2019年まで、35年にわたり継続され、田沼は実に130を超える国々を訪問しました。
 第2章では、85点の作品を通して、田沼を魅了してやまなかった世界の子供たち、世界の人々のまなざしに触れます。

第3章「むさし野」
 田沼は、多忙な海外取材の合間をぬって「武蔵野の自然」の撮影に取り組みました。戦後の高度経済成長の陰で急速に姿を変えようとしていた日本の原風景に目を凝らし、あらゆる季節の「武蔵野」の姿を生涯追い続けました。東京の下町に育った田沼にとって、「武蔵野」に残る雑木林や野鳥の遊ぶ池、寺社などの姿が心象風景としての「ふるさと」のイメージそのものだったのです。

 田沼が撮影し続けた「武蔵野」シリーズより、本邦初公開となる未発表作品を含む57点を展示します。

田沼武能 人間讃歌