比田井南谷 生誕110年「HIDAI NANKOKU」 ※2/4まで会期延長

開催概要

会期
2022年11月12日 〜 2023年02月04日
会場
√K Contemporary (東京都新宿区南町6)
ジャンル
アート
タグ
平面

開催内容

√K Contemporary(ルートKコンテンポラリー/東京・新宿)では、2022年11月12日(土)~12月10日(土)にかけて、日本美術継承協会(東京・新宿)の主催する、書家 比田井南谷の個展「HIDAI NANKOKU」を開催いたします。本展では南谷の日本未発表作品や南谷の拓本コレクションを含む約50点ほどの作品を展覧いたします。

比田井南谷は戦後、新たな概念の「線の芸術」を創造し、日本の書道界や美術界、さらに欧米の芸術界に衝撃を与えました。当時のSan Francisco Sunday Chronicle紙に「New Abstract Style」と評されたその芸術表現は、それまでとは全く異質の新しい表現として非常に高く評価され、ニューヨーク近代美術館(MoMA)をはじめとした美術館や、著名なコレクターに作品が所蔵されました。
しかしながら、現在のアートシーンにおいては、南谷の偉業は正しく美術史の中に位置づけることができていません。生誕110年となる本年、あらためて南谷の「線の芸術」を紐解き、その真髄に迫る事で、多くの方にその高い芸術性を感じていただき、比田井南谷という創造者を後世に残していく契機とすべく、本展を開催いたします。

【本展開催に際して】
数年前に比田井南谷の作品に出会い、線表現に魅了され、昨年√K Contemporaryにて「線のカタチ」という企画展を行いました。南谷の作品を中心に線表現を追求した作家たちの作品を展示しましたが、ほとんどの方が南谷の作品に触れる初めての機会となり、その異質で力強い線表現に魅了されていました。
今年南谷は生誕110年を迎えましたが、20世紀の美術シーンにおいて彼の名が挙がることはほとんどなく、彼の作品への多くの人の反応を知る私達は違和感を覚えずにはいられません。
南谷は書家であるがゆえに、「前衛書家」という見出しを付けられます。
しかし、前衛書というのは一体何なのでしょうか。
その問いを長く頭に置きながら、彼の作品と向き合ってきました。「前衛書」という見出しを付け、書であるがために美術シーンにおいて彼の偉業が残されないのであれば、美術や芸術の本質はどこにあるのかと。
南谷は、同時期に活動していた彼の地の新しい表現者達と同様に大きな未来に可能性を持ち、新しい価値観で概念を変えようと、わずかな部分に着手していただけかもしれません。
私達は、この問いや疑問の線引きを変えることで日本の美術文脈をインターナショナルに位置付けるきっかけになればと願い、また美術界や書壇の垣根を取り払い、ただ一心に書の、芸術の、真髄を発信し続けたこの書家の活動を知ることに日本美術の進むべき道の答えがあるような気がしています。

私達がこのような意義ある展示の一端を担える事をとても光栄に思っております。
たくさんの方に本展をご覧いただけましたら幸甚にございます。

加島いち子(Director, √K Contemporary)


【比田井南谷 / Hidai Nankoku(1912~1999)】
比田井天来、小琴の二男。父天来について書法を学ぶ。父歿後は書道研究機関「書学院」を継承して数千冊に及ぶ貴重な碑帖の管理にあたり、同時に書学院出版部を再開して良書の出版と啓蒙に努める。1945年、史上初の前衛書「電のヴァリエーション」を書き翌年発表、書壇に衝撃をあたえる。東京、ニューヨークなどで個展を多数開催。現代美術展等に招待出品。ニューヨーク近代美術館(MoMA)など著名コレクターが作品買上げ。またプリンストン大学、コロンビア大学等約20の大学で書道史を講演する。

<Public Collection>
京都国立近代美術館/佐久市立天来記念館/千葉市美術館/東京国立近代美術館/東京都現代美術館/成田山書道美術館/新潟県立近代美術館/北海道立函館美術館/春日井市道風記念館/イェール大学美術館/カリフォルニア大学バークレー美術館/クレラー・ミュラー美術館/コーネル大学ジョンソン美術館/サンフランシスコ近代美術館/ニューヨーク近代美術館/ハーバード大学フォッグ美術館/ビクトリア国立美術館/M+


【本展の見どころ】
・日本初公開作品や未発表作品を含めた約50点を出展
本展では、1960年代に欧米で発表して以降、本邦初公開となる作品7点、そして未発表作品やスケッチなど、南谷の貴重な作品群を一堂に会した約50点を展示いたします。

・比田井南谷の拓本コレクション 公開
本展会場の地下では、南谷の貴重な拓本コレクションを展示いたします。
西洋には存在しない拓本芸術は、南谷がアメリカで開催した最初の個展に併催された拓本展で多くの欧米の芸術家たちに衝撃を与えました。拓本は、南谷が創造した「線の芸術」の源泉の一つであり、また、東洋独自の芸術形態です。本展では、現在では見る事のできない大変貴重な南谷のコレクションの一部を展示し、拓本の意義を改めて問います。

・比田井南谷の貴重な資料も展示
南谷は作品制作と同時に、書道の振興にも尽力し、国内外の大学や研究機関等で「正確な書道史・書の鑑賞の仕方・書の書き方」という講義や実演、書法指導を行いました。当時の資料や新聞記事等の資料を公開いたします。その他、1960年代にニューヨーク近代美術館(MoMA)をはじめとした各種の美術館や著名なコレクターが南谷の作品を購入した記録もご紹介。さらに、ピエール・アレシンスキーやワラッセ・ティンといった著名なアーティストたちとの共同制作や交流記録も展示し、多岐に渡る活動の足跡をたどります。

※ご好評につき、会期を2023年2月4日(土)まで会期を延長し、ギャラリートーク等のイベントを開催いたします。2023年1月からは新たな出展作品を加えた後期展示となっておりますので是非ご覧ください。
また、√K Contemporaryの特別展として、2022年に生誕100年を迎えた富岡惣一郎の個展「白の世界」を地下スペースにて開催しています。併せてご覧ください。

【比田井南谷の魅力に迫る!イベント開催!】
皆様にさらに比田井南谷の魅力を感じていただき、その作品群を理解していただく機会創出の場として、下記の通りイベントを開催いたします。京都芸術大学の書画コースの特別講義や保坂健二朗氏(滋賀県立美術館 ディレクター)をゲストをお招きしたギャラリートーク、アーティストやキュレーター達と比田井和子氏が対談する動画コンテンツの配信を予定しています。

●京都芸術大学 書画コース特別講義
2023年1月28日(土)に『生誕110年「HIDAI NANKOKU」』をテーマにした京都芸術大学 書画コースの特別講義を当ギャラリーにて開催いたします。
比田井南谷のご息女である比田井和子氏が講師を務め、ギャラリー内にて講演・トークを行います。Zoomウェビナーを使用したオンライン配信ですので、一般の方も参加自由となっておりますので是非ご視聴ください。

京都芸術大学 書画コース特別講義
開催日時: 2023年1月28日(土)14:30~16:00
参加方法: Zoomオンライン(下記参加のリンク先となります)
      https://us06web.zoom.us/j/81875720398

●「HIDAI NANKOKU」ギャラリートーク
比田井南谷の芸術とは何なのか?「線の芸術」を生み出した書家 比田井南谷の作品群を通してその創造性や芸術性について掘り下げていきます。元国立近代美術館主任学芸員であり、現在は滋賀県立美術館にてディレクターを務めていらっしゃる保坂健二朗氏をゲストに迎え、比田井和子氏(比田井南谷 ご息女、天来書院取締役会長)と高橋進氏(日本女子体育大学名誉教授・比田井南谷研究家)と共に比田井南谷についてお話いただくギャラリートークです。是非ご参加ください!

日時 :2023年2月3日(金)19時~20時
会場 :√K Contemporary(新宿区南町6)
参加費:無料
申込 :√K Contemporaryまでメール又は電話にて申込
    Email: info@root-k.jp / Tel:03-6280-8808
    *定員になり次第受付終了

比田井南谷 生誕110年「HIDAI NANKOKU」 ※2/4まで会期延長