福島 淑子| Iridescent Memories
開催概要
- 会期
- 2022年10月22日 〜 2022年11月19日
- 会場
- GALLERY MoMo Ryogoku (東京都墨田区亀沢1-7-15)
- 参加クリエイター
- 福島淑子
- ジャンル
- アート
- タグ
- 平面
開催内容
福島淑子は1985 年長野県生まれ、2009 年武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業、大学在学中の2006 年にシェル美術賞展で審査員賞、2007 年には同美術賞でグランプリを受賞しました。2014 年には信濃新聞社の時事コラムの挿絵などを手掛け、『ヒョンナムオッパへ:韓国フェミニズム小説集』の装丁に選ばれるなど活躍の場を広げ、ピゴッチコレクション、ベネトン財団などに作品が収蔵されています。
作品は人物を主体とし、ポートレイトや複数の人物による構成が、やや暗めの色調で個性的な人物表現を展開してきました。描かれる人物の顔に施される色彩はその表情と共に多様で、独特の眼差しは時に深く内面を表出し、見る者に突き刺さるほどの強さを持って迫るほどでした。
新作では、そういった初期からの特徴的な感情や内面の表出を押さえながら、以前よりも写実的な描写へと変化しつつあるように見えます。
本展覧会のタイトル「Iridescent Memories」は、「玉虫色の記憶」と訳され、福島が人の多様な視点をそう名づけました。心理学辞典には、記憶は、「記銘、保持、想起という三つの段階からなる心的機能」とあり、記銘では私たちの頭に保持できる形に情報を変換させ、その保持された情報を取り出す過程が想起となる。この過程で実際の出来事やイメージは個々の解釈で異なる変換をします。そう言った「認知でできた上澄みの、きらきらした灯火をもとに」描いたという人物たちは、緑や黄色、赤などで描かれていますが、具体的な感情を表情から断定することはできず、また大人びた子供のようにも、子供に戻った大人のようにも見えます。しかし、これが福島の描いた「誰か」と私たちの記憶の中にいる「誰か」が交差し、多重のイメージを生んでいます。
前回の個展から約6年、出産や育児を経て、思うように制作に時間時を割けない中でも、自身の感情の起伏とも向き合いながら、描くことで心身のバランスをとってきました。「描く」という行為に率直に向き合い自己を飾ることなく見つめた福島の新作約11 点をご高覧ください。
アーティストコメント
今回の展示では、過去の記録をもとに制作しました。
ひとは記憶を想起するとき多層のフィルターを通じて思いだしますが、人によって同じ出来事でも異なります。その多様な視点を玉虫色の記憶と名付けたいと思います。そして、認知できた上澄みの、きらきらとした灯火をもとに、多重イメージを再構成し描きました。
2022 年 福島淑子