菅野歩美 個展「アトピアだより/News From Atopia」

開催概要

会期
2022年10月04日 〜 2022年10月21日
会場
コートヤードHIROO (東京都港区西麻布4-21-2)
参加クリエイター
菅野歩美
ジャンル
アート

開催内容

コートヤードHIROO の運営会社 株式会社A-TOM が、A-TOM ART AWARD 2021の受賞者である菅野歩美さんの個展「アトピアだより/News From Atopia」を開催いたします。

*A-TOM ART AWARD とは東京藝術大学 まちづくりのスマートビジョン 伊東順二 特任教授と手を組み2017 年に創設したアートアワードです。

菅野さんの作品は、「フォークロア」と呼ばれる土地に古く伝わる風習・伝承などを題材にしております。土地に根付いた文化や記憶をリサーチし、デジタル空間に再構築しています。こうして、土地にまつわる物語をメディアアートに変換することで、ある種のデジタルツインとして生成された作品は、まるで物語絵巻の中に入り込んでしまったかのようなアートの旅へと皆様を誘います。

清秋の季節、アートを通して旅するように、本展示をぜひご高覧いただけましたら幸いでございます。


学部で油画を専攻していた菅野は、様々な土地での滞在制作を通じて次第に表現方法を変化させていき、近年ではリサーチした土地にまつわる物語や伝説、怪談を元に、3DCG を使った映像インスタレーションを制作しています。本展示のタイトルである”アトピアだより”は、ウィリアム・モリスの小説のタイトル”ユートピアだより”から引用しています。ユートピアの訪れを想像することが難しい現代において、むしろ「場所ではない」ような「奇妙な」空間について考えてみたい。こうした思いから「場所ではない」、「奇妙な」という意味を持つギリシャ語の”アトピア“をタイトルに使い、アトピアから送られてくる手紙=”アトピアだより“という展示を作ることにしました。

都内で初めて開催される個展である本展示では、去年から制作を続けている福島県の西会津町を題材にした作品「未踏のツアー」の最新形態の発表に加え、奄美大島をテーマにした新作の発表を予定しています。菅野の作り出す作品は、モデルになった土地に馴染みの深い鑑賞者にとっては、よく知った懐かしい場所でありながら、時に「奇妙な場所」として映ります。他方で、モデルとなった土地に馴染みのない鑑賞者には、その「奇妙な場所」が、なぜか懐かしく感じられる瞬間が訪れます。

人が互いに他者を理解しようとするとき、そこには邪魔になる見えない障壁があります。例えば、空間的な遠さや時間的な遠さなどです。こうした障壁を取り払うためには、他者や離れた場所について想像し思いを馳せるための身近なきっかけが必要です。今まで関わることが無かった異なるルーツや価値観を持つ人々や土地を、作品を通して結びつけることで、こうしたきっかけを作り、作品のモデルとなった土地の再発見を鑑賞者に促すことができる展示となっています。


【作家ステートメント】
どこの⼟地にも存在する、⼟地にまつわる物語や伝説、怪談。フォークロアと呼ばれるそれらは、なぜ⼈々によって紡がれてきたのか、その背後にある歴史や個⼈の感情を考えながら映像インスタレーションを制作している。現代社会においては存在意義さえ曖昧なフォークロアを、メディアアートとして記述することで、私たちが⼟地に何を求めていて、何を失いつつあるのか、メディアアートとして⽣まれ変わったフォークロアが私たちにもたらすことは何かを研究している。

菅野歩美 個展「アトピアだより/News From Atopia」