すべての僕が沸騰する 村山知義の宇宙
会期: 2012-02-11 - 2012-03-15
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
油彩画
平面
開催内容
20世紀の初めに生を享け、ベルリンでダダや構成主義などの新興芸術を吸収して1923年に帰国、まもなく「マヴォ(MAVO)」や「三科」といったグループの活動を通じて大正末期から昭和初期にかけて日本の近代美術に決定的な影響を与えた村山知義(1901-1977)。物体を貼り込んだ造形作品や、トランスジェンダーなダンスパフォーマンスなど、ジャンルを横断した目覚ましい活動は、同時代に多くの共感者を生み出しました。
本展は、1920-30年代に展開された美術の仕事を中心に、その時代背景を伝える国内外の作品・資料を参照しながら、村山知義の宇宙的な多様性を紹介する、初めての大規模な個展です。
“すべての僕の情熱と思索と小唄と哲学と絶望と病気とは
表現を求めようとして具象されようとして沸騰する――” 村山知義「過ぎゆく表現派」『中央美術』1925年4月
油彩、コラージュ、版画等の希少な現存作品を一堂に集めるほか、機関誌『マヴォ』、自ら設計し新興芸術の拠点となった自邸兼アトリエ「三角の家」をはじめとする建築と室内装飾、築地小劇場での演劇『朝から夜中まで』に代表される舞台美術、ポスターデザインや装幀といったグラフィックなど、その多彩な仕事の全貌を記録資料とともに紹介。
村山知義がドイツ滞在時に大きな影響を受けたカンディンスキーやクレー、活動を共にした和達知男や永野芳光の作品も展示します。
さらに、『コドモノクニ』などの児童雑誌を中心に発表された、子どものためのイラストレーションの仕事も多数紹介。妻・籌子(かずこ/1903-1946)の文章をはじめとする数多くの児童文学に添えられた美しい原画は、10代から晩年にいたるまで挿絵作家「Tom」として活躍し、いまなお瑞々しい魅力を放ち続ける村山知義のもうひとつの面をみせてくれます。
関連企画として、パフォーマンスの一夜「新・劇場の三科」、講演会、シンポジウムなどを開催。村山知義が夢みた全方位的な創造力の開放、その沸騰の軌跡を検証します。