堀内誠一 「絵の世界」
開催概要
- 会期
- 2022年03月19日 〜 2022年07月25日
- 会場
- ベルナール・ビュフェ美術館 (静岡県長泉町東野515-57)
- 参加クリエイター
- 堀内誠一
- ジャンル
- アート
- タグ
- 平面
開催内容
本展は、伝説のアートディレクターであり、デザイナーであり、絵本作家でもあった堀内誠一の「絵の世界」に注目します。今回、初公開となる10代の時に描いた油絵作品などを出発点に、絵本の原画、デザインにおける作画、雑誌のためのカットなど、堀内の創作の原点ともいえる「描くこと」をひもときます。ときに愛らしく、ときに鋭くアヴァンギャルドな堀内誠一の絵の世界をどうぞお楽しみください。
1932年、東京に生まれた堀内誠一は、若い頃よりデザイナーとして研鑽を積み、時代をリードするアートディレクターとして活躍しました。そして「anan」、「BRUTUS」、「Olive」、「たくさんのふしぎ」など、よく知られた雑誌のロゴや、本の装丁、ポスターのデザインなど多彩な仕事を展開しました。その一方で、1958年に初めての絵本『くろうまブランキー』を世に出します。その後も『ぐるんぱのようちえん』や『たろうのおでかけ』、『こすずめのぼうけん』など数多くの人気絵本を生み出しました。「絵本作家の道こそ運命が決めた本命」と本人が語ったように、その54年の人生は、絵を描くことと共にありました。
2022年、生誕90年を迎えることを記念して、その画業全般を回顧する展覧会を開催いたします。戦後、激動する社会の中で、「絵」というヴィジュアルが持つ力を、広告やデザイン、イラストなど様々な分野で発揮させた堀内。その作品世界を見つめれば、20世紀という時代において、絵本や雑誌といったカルチャーがいかに変遷し、発展を遂げてきたかも浮き彫りになることでしょう。
[みどころ]
絵を描きたい その創作の原点
図案家だった父の影響もあり、子どものころから絵を描くことが好きだった堀内。子ども時代に描いたスケッチ、画塾に通いながら日々描いたデッサン、模索を重ねながら取り組んだ油絵などを展示し、絵本作家になる前から、堀内が描くこと、表現することにいかに真剣に向き合っていたかを紹介します。
多彩な絵本の世界
1958年、堀内は『くろうまブランキー』(福音館書店)で絵本画家としてデビューします。
以来、デザイナーの仕事をしながら多くの絵本を手がけました。堀内絵本の特徴の一つは、物語に合わせて変幻自在に変化する画風です。本章では、初期から晩年までの絵本を5つの項目に分類しながら堀内誠一の絵本の特徴や変遷を展観します。
1.はじまりの絵本たち
(初期、模索の時代)
『くろうま ブランキ―』『七わのからす』
『たろうシリーズ』『おおきくなるの』
『ぐるんぱのようちえん』
2.名作と向き合う
『おやゆびちーちゃん』
『くるみわりにんぎょう』『雪わたり』
3.好奇心と科学の絵本
1969年創刊・月刊科学絵本シリーズ
「かがくのとも」
現在も数か国語に翻訳されているベストセラーも。
『ほね』『ねびえ』『めのはなし』
4.広がる絵本の世界
堀内絵本の魅力のひとつは、その多彩な画風。古今東西、あらゆる文化に好奇心を持ち、そのエッセンスを自分のものにしていた堀内ならではの、遊び心もたっぷりの多様な作品を紹介します。
『こぶたのまーち』『てがみのえほん』『どうぶつしんぶん』『でてきておひさま』『てんのくぎをうちにいったはりっこ』など
5.パリで生まれた絵本たち
41歳の時、堀内は家族とフランスに渡り、約7年間をパリ郊外のアントニーで暮らしました。
フランス滞在期間には絵本の仕事にできる限り専念しました。ヨーロッパに触れ、パリの暮らしをソースとして生まれた絵本たちを紹介します。
『こすずめのぼうけん』『きこりとおおかみ』『パンのかけらとちいさなあくま』など
物語を導く 挿絵の世界
堀内が「挿絵」を手がけた絵本は40冊以上。物語への興味を深めるよう工夫された絵の世界を、代表的な挿絵作品を中心に紹介します。
『人形の家』『ふらいぱんじいさん』『グリム童話集』『ロボット・カミイ』『おそうじをおぼえたがらないリスのゲルランゲ』『マザー・グースのうた』など
堀内誠一の残したもの
堀内はいかなるときも「描くこと」を通してイメージを形にしていきました。ロゴマークのデザイン、雑誌のアートディレクション、本の装丁、ポスターのデザイン、ミニコミ誌の編集、友人たちへの絵手紙、旅先で見た町の風景、そして地図。描くことを通して堀内が表したさまざまなものを紹介します。また、その創作の傍らにあった愛用品や画材などもあわせてご紹介します。