海崎三郎展
会期: 2012-01-10 - 2012-01-29
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
彫刻
開催内容
熱が通り過ぎた跡には粘土を一瞬ですくったような鮮度が残ります。突然消えてしまった不思議さと、人のちからを超えて鉄があらわになることが私には魅力的でした。
最初は金属用のタガネを使い、手で溝を掘ることから始まった仕事ですが、次第に鉄という素材が、自在なものから負の無垢性とそのエネルギーの在り方だけを探る素材として向き合うようになりました。道具との出合いによって鉄の内側を求める想いをはっきりと自覚するようになり、鉄の厚みや大きさが増すごとに覚悟の程が 試されてきたように思います。
この数年、鉄のポテンシャルを損なうことなく既製のうすさではない、「つくられた薄さ」を意識した仕事をつづけています。鉄のもつ厚さと薄さ、重さと軽さ、硬さと軟らかさ、それらの間に身を置くことは鉄を消していくことの確認であり、展開であると考えています。
(2011年10月7日 海崎三郎)