齋藤彰英「東京礫層:Tokyo Gravel」

開催概要

会期
2021年08月25日 〜 2021年09月05日
会場
iwao gallery (東京都台東区蔵前2-1-27 2F)
参加クリエイター
齋藤彰英
ジャンル
写真

開催内容

「オープン・ウォーター~水(*)開く~」プロジェクトでは、この夏、齋藤彰英の個展「東京礫層:Tokyo Gravel」を開催いたします。写真を主な表現のフィールドとして活動する齋藤彰英は、糸魚川静岡構造線や中央構造線、あるいはフォッサマグナといった日本列島の形成史が刻まれた地形を歩き、数千万年に及ぶ時間の中で連綿と紡がれた私たちの記憶、水が流体として示す造形に着目し写真作品を制作してきました。
本展覧会では、「約8万年前から繰り返される多摩川の流路変化」「高層ビル群を支える地層『東京礫層』」の二つの要素を題材に、川が作った平野としての東京を見つめなおす作品を展示します。

本展ステイトメント
強度の弱い関東ローム層に覆われた東京において世界有数の高層建築を可能にしたのは、ローム層の下に堆積する「東京礫層」と呼ばれる強度の高い地層です。これは約20万年前のかつての多摩川が、東京の西方に位置する山々を削り押し流した石の堆積層です。現在の多摩川は、山梨県笠取山の水干(みずひ)を水源とし、東京と神奈川を流れる全長138kmの河川です。しかし、悠久の時間の中で多摩川の流れは幾度も変わり、その都度、その流路に沿って東京全域に石を堆積させました。東京タワーや都庁ビル、近年ではスカイツリーなど、東京の高層建築はこの東京礫層に杭打ちすることで建設されています。
また、約8万年前に起きた立川断層を由来とする地震は、その地震による地形の変動によって当時狭山丘陵の北側を流れていた多摩川の流路を大きく南に変化させました。これによって狭山丘陵を穂先とした土地が多摩川に削られることなく残り、現在の武蔵野台地として形作られました。
本展では、東京に立ち並ぶビル群の光を俯瞰し、かつて流れていた多摩川の景色を浮かび上がらせていきます。


「オープン・ウォーター~水(*)開く~」の目指すもの
東京の歴史において豊かな水脈が果たしてきた役割をあらためて確認し、水のもつ可能性をアートの創造力から掘り起こすことで、東京を21世紀の水都として活性化しようとするプロジェクトです。
かつて水都と呼ばれた江戸・東京は、街中を縦横に水路が巡り、水に向かって大きく開かれた都市でした。高度経済成長時代に交通や物流の主役を陸路に奪われると、水は都市の背後へと退き、わたしたちの生活から遠ざけられてきました。しかし、今も東京が豊かな水の都市であることに変わりはありません。「オープン・ウォーター~水(*)開く~」は、今一度東京の川や海に目を向け、アートを介して人々が東京の水と関わり、水の持つ豊かさに触れる機会を創出することを目指しています。
https://openwater-mizuhiraku.com/

齋藤彰英「東京礫層:Tokyo Gravel」