海老塚 季史 “ A point of View ”
開催概要
開催内容
偶然に手元にあるもの、自分で選んで手元にあるもの、旅行先や日常の中で出会ったものや、それを取り巻く事柄など、様々な「もの」や「こと」を、糸や布と合わせることで作品へと昇華させる海老塚季史。
何も無いところから作家が自ら生み出していくのではなく、既製品や昔からあるものと手を取り合うことで、自身の力だけでは作れないものを生み出したいと海老塚は言います。何でもないような既製品でも、元々は何処かの誰かによって作り出され、自身の手元に届いたという事実があります。「もの」が歩んできた背景や性質を慎重に汲み取りながら「作品」という別の形に変えることで、捨てられずに新たな物語を築いていけることを願い、制作を続けています。ものに作用されながら日常生活を改めて見ることで、普段の生活の中では見えてこなかったような発見を身の回りにあるものが与えてくれるのです。
生活の中には、同じようで違うもの、違うようで同じもの、視点が変われば一つのものも様々な見え方をします。どれが正しいなどとは言い難い日常の中で、まずは作家が気になった視点から作品にしてみる、という試みから生まれた新作群を、本展「A point of view」にて発表いたします。
海老塚季史の作品には、一見何処に手を入れたのか分からないものから、元の既製品としての形を留めないものまで様々です。しかしながら、全ての作品に共通するのは、彼女の繊細な織の技術と感性が合わさり、日常を取り巻く「もの」や「こと」を様々な角度で観察する視点を持てることにより、成し得ることが出来る表現方法だと言えるでしょう。
これを機に是非ご高覧くださいますようお願い申し上げます。