大谷有花展 -対話の記憶-
会期: 2011-10-08 - 2011-11-05
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
レセプションパーティー
インスタレーション
平面
開催内容
この度GALLERY MoMo Rygoku では10 月8 日( 土) から11 月5 日(土)まで、大谷有花展「対話の記憶 」を開催いたします。
大谷有花は1977 年神奈川県生まれ、2003 年多摩美術大学大学院修了。同年に開催されたVOCA 展では奨励賞を受賞し、高い評価を受けました。その後は、各地の美術館やギャラリーで精力的に制作・発表を行い、2010 年には毎日新聞社主催「第二回絹谷幸二賞」を受賞、その活躍はとどまるところを知りません。
当ギャラリーでの個展は2 年ぶり7 回目になりますが、大学卒業後としては初のインスタレーションによる展示に挑戦します。
壁面には「ピクニック」シリーズの大作を配し、床面には「ウサギねず みの対話」で交わされたひとつひとつの対話を象徴するたくさんのドライフラワーを配置する予定、花々が咲き乱れる森を想像することが出来ますが、耳を澄ませば、小さな対話の数々を聞くことが出来るかも知れません。
新たなチャレンジとなる今展で、大谷有花の世界を体感していただければさいわいです。なお、今展の展示プランを描いたドローイングなどの展示も予定しています。
学生時代、絵画による作品表現に行き詰まりを感じていた時期、インスタレーションという美術表現に興味を持ち、インスタレーション作品を数多く制作していました。しかし、そのうちに、もっと多くの人に作品を観てもらいたいという表現者としての本能的な欲求と、ある特定の場所で展示し、その場に足を運んで観てもらう必要があるインスタレーションという表現手段の間にズレを感じるようになりました。<その場>に多くの人に来てもらうことが難しいなら、多くの人がいるところに、<その場>を持ち運べるようにすればいいという発想から、2000 年に制作したのが、「トラ・オリ・キミドリの部屋」という作品です。
これは、<その場>である「キミドリの部屋」の前に、細い針金でできたヨレヨレの檻の中にいる紙粘土でできたトラのオブジェを配置した作品で、絵画とオブジェの組み合わせによる複合型の作品です。この作品の制作が発端となり、再び絵画という表現手段に大きな可能性を感じ、以降、本格的に絵画表現の本質を追究する道を歩むことになりました。
今展の展覧会タイトルは、「対話の記憶」としました。これまでも「ウサギねずみの対話」シリーズなどで、対話をテーマとした作品を数多く制作してきましたが、この度の東日本大震災を機に、対話の必要性や重要性を改めて認識することとなり、今年9 月には横浜高島屋で、「それぞれの対話から生まれるストーリー」というタイトルの絵画展を開催しました。今回、ギャラリー側からのご提案もあり、本当に久しぶりにインスタレーション作品を発表する機会を得、絵画作品である「ウサギねずみの対話」の舞台をGALLERY MoMo Ryogoku の空間に再現してみようと考えました。これは、インスタレーションと絵画の融合というと少し大袈裟ですが、「体験する絵画」というべき作品だと思っています。ぜひ、GALLERY MoMo Ryogoku で、「ウサギねずみの対話」のステージをご体験下さい。
2011 年 大谷有花