シャルル=フランソワ・ドービニー展 バルビゾン派から印象派への架け橋
会期: 2019-04-20 - 2019-06-30
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
平面
開催内容
19世紀フランスを代表する風景画家シャルル=フランソワ・ドービニー(1817~1878)の国内初の本格的な展覧会です。刻々と変化する水辺の情景を素早いタッチで描いたドービニーは、印象派の画家たちの指針となり、クロード・モネやフィンセント・ファン・ゴッホなど、次世代
の画家たちに大きな影響をあたえました。
本展覧会では初期から晩年まで、ドービニーによる作品約60点、ならびにカミーユ・コロー、ギュスターヴ・クールベ、オノレ・ドーミエ、息子のカールといったドービニー周辺の画家たちによる作品約20点を展示します。フランスのランス美術館を中心に、国内外各地の美術館・個人が所蔵する作品で構成される展覧会です。
序章 同時代の仲間たち
シャルル=フランソワ・ドービニーが画家として一歩を踏み出した1830 年代から40年代、フランスでは現実をありのままに描く「レアリスム」が登場し、自然そのものの美しさにも注目が集まりました。カミーユ・コローや後に「バルビゾン派」と呼ばれる風景画家たちは、フォンテーヌブローの森やフランス、ヨーロッパ各地に足をのばし、実際の景観に基づいた風景画を完成させました。
第1章 バルビゾンの画家たちの間で(1830~1850)
ドービニーは1817年、パリに生まれました。風景画家の父から手ほどきを受け、1835年から画家を目指して本格的に絵画を学び始めました。はじめは宗教や神話を主題とした古典的な作品を描き、ローマ賞コンクールにも挑戦しますが落選、次第に身近な自然の美しさを表現することに専念します。
1840年代には各地を旅しバルビゾン村にも滞在、実景に基づいた風景画を手がけます。
第2章 名声の確立・水辺の画家(1850~1860)
1850年代、ドービニーは目前の自然を再現したかのような描写力が高く評価され、サロンにおける受賞や作品の国家買い上げなど、次第に名声を確立していきます。なかでも池や川など、水辺を描いた作品に注目が集まり、「水辺の画家」として知られるようになりました。一方、筆の跡を残す様式が「印象」を「荒描き」した「未完成」な作品に過ぎない、という後の印象派を彷彿とさせる「批判」を受けることもありました。
第3章 印象派の先駆者(1860~1878)
1857年、ドービニーはアトリエ船「ボタン号」を入手、ボタン号で各地を巡り、数々の河川風景を描きました。自然の中で描いたドービニーの制作姿勢は、モネやピサロら後の印象派の画家たちに大きな影響をあたえました。1868年、ドービニーはさらに規模の大きい二代目アトリエ船「ボッタン号」を入手、セーヌ川をノルマンディー地方や英仏海峡まで航行しその景観を描きました。
第4章 版画の仕事
ドービニーは生涯を通じて、版画を多数制作しています。1840年代は生計を立てるために様々な出版物の挿絵を手がけ、その後も自身の油彩画を元にした複製版画を積極的に制作しました。こうした版画作品は自らの作品と活動を世に広める手段となり、ドービニーを敬愛していたファン・ゴッホも、版画作品を通じてドービニーの作品に接していました。