特別展「没後130年 河鍋暁斎」
開催概要
- 会期
- 2019年04月06日 〜 2019年05月19日
- 会場
- 兵庫県立美術館 (兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 [HAT神戸内])
- ジャンル
- アート
- タグ
- 平面
開催内容
幕末から明治初年にかけて活躍した河鍋暁斎(1831-89)は、幅広い画業で知られています。歌川国芳から浮世絵を学び、また狩野派にも入門し伝統的な官学派の絵画を学ぶ経歴を持つ暁斎は、当時の画家や日本に滞在・居住していた外国人との交流のみならず、寺院や神社、版元・出版社、料亭や老舗商店、能や歌舞伎といった広範囲にわたる人たちとの交友・受注関係を培いながら多様な作品世界を展開しました。彼らとの親交のなかで暁斎は時代の状況を敏感に感じ取り、時に体制批判の精神を研ぎ澄まし、また一方で日本的な人間・自然観、身体観、死生観といったテーマを独自の視線で掘り下げ、屏風や掛軸、巻物や画帖といった無数の作品を作り上げました。
同展では、暁斎の多様な作品群を紹介しながら、「写生帖」や「日記」、「下絵」や「画稿」なども展観し、暁斎の「眼」、すなわち見る、捉える、表現するといった制作の様相を企画の照準に据えます。一方で、幕末明治の表現を検証する手がかりとしての「ネットワーク」というキーワードのもと、暁斎が手がけた錦絵や挿絵本、工芸作品なども含めて展観します。すなわち、暁斎の創造力と時代のネットワークを合わせ鏡のように考察することによって、同展は暁斎の作家・作品像を再検証し、その時代的、芸術的意義を問います。
明治中期にはアーネスト・フェノロサや岡倉天心によって西洋近代主義的芸術論が定着します。その観念中心主義のジャンル論によって、「日本画」、「洋画」、「版画」といった分野、そして様式による時代区分も形成されていきます。同展は、移植によってつくられたジャンルも、江戸や明治という時代区分も軽々と横断する河鍋暁斎の真価を浮き彫りにします。
【前期展示:4月6日(土)~ 4月29日(月・祝)】【後期展示:4月30日(火・休)~ 5月19日(日)】
[みどころ]
1 河鍋暁斎の幅広い画業がわかる
暁斎の魅力のひとつは、様々な作品を制作したことです。掛軸や絵巻、屏風や絵馬や引幕に描いた絵画作品だけでなく、暁斎が手がけた錦絵、挿絵本、工芸品など、幅広い種類の作品が展示されます。
2 幕末明治期の広い交流関係・ネットワークがわかる
暁斎の幅広い画業の背景には、幕末明治期の人的ネットワーク、芸術交流があります。例えば、コンドル、ギメ、ベルツといった当時日本に滞在していた外国人との交流を背景にもつ作品、神社、寺へ奉納された作品、そして、明治憲法発布を記念して制作された作品などが展示されます。
3 制作プロセスがわかる
河鍋暁斎記念美術館にはおよそ2,200 点の「下絵類」が収蔵されています。「下絵類」とは、下絵(実際に完成作品が存在するもの)、版下絵(錦絵制作のための作品)、画稿(構想中のもの、部分的なもの)、写生(実際に見て描いたもの)などを示します。暁斎の観察力、洞察力、写生力、描写力を示すこれらの下絵類が数多く展示され
ます。
4 ベルツコレクションが里帰り
暁斎と親交の深かったお雇い外国人エルヴィン・フォン・ベルツの旧蔵品で現在ドイツのビーティヒハイム・ビッシンゲン市立博物館所蔵の暁斎作品が展示されます。「日本最大の画家」と言うほど暁斎の表現世界を高く評価したベルツだけあって、暁斎の代表的作品を収集していました。