仙台藝術舎/creek展 vol.3 「2056」 37年後について
会期: 2019-03-19 - 2019-03-24
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
開催内容
「仙台藝術舎/creek」は、次世代のアーティストやアートに携わる人を育てる学校として2016年に開校しました。10か月に渡り、美術家、美術批評家、キュレーター等を講師に迎え、講義やワークショップなどを通して同時代の多様な表現を学んでいます。今期(第3期)は、アーティストや、アートについて学びたい学生、会社員、教師、デザイナー、医師など15名が受講しており、本展はその受講生による修了展です。平面、立体、映像、パフォーマンスなどの表現方法を用いて、個性豊かな面々がアートという一点で繋がり作り上げるグループ展をぜひご覧ください。
出展者|
阿部悠、柿澤弘枝、菅野光子、斉藤真由子、佐々瞬、佐立るり子、
菅井啓汰、玉井裕也、中島優理、樋口健介、増子瑞姫
・・・
ステートメント|
1982年から1990年にかけて連載され、1988年には映画化もされた、大友克洋のサイエンスフィクションマンガ「AKIRA」は時代背景を2019年に設定されています。その舞台、ネオ東京では、2020年のオリンピックにむけてスタジアムが建設中です。まさに現在の日本と重なる部分です。
さて、AKIRAでは東京は過去に破壊されており旧市街、廃墟として描かれます。そして新都市ネオ東京も大混乱のなか廃墟と化していくわけですが、鉄腕アトムなどに登場する1960年代の未来像は違い、AKIRAで描かれる未来はディストピアです。あるいは同じくディストピアとしての未来を描き、サイバーパンクの潮流を生んだ映画「ブレードランナー」は2019年のロサンゼルスが舞台です。これらの作品が示すように、科学技術に頼んだ進歩史観が限界に来ていることはすでに物語として予見されています。また、わたしたちは震災によってそのことを反省的に実感しました。いずれにしても、小説としてのサイエンスフィクションの隆盛は過ぎ、それらを題材に映像化するというブームもCG の一般化とともに終わりました。結果的に、サイエンスフィクションは物語の消費形態としてパターン化し、近未来を描くことで現代への警鐘と成すことを真剣に考えた表現は無くなっていると言えるでしょう。では、あえて、それに挑戦してみましょう。目前のお祭りに未来への期待を込めるのではなく、現在の批評として未来を描き出します。今回は、AKIRAと同じ37年後の設定で、2056年の世界をあらわします。