POST 3.11 in Sapporo ~沈み行く記憶の淵で
開催概要
開催内容
先日の北海道での大停電と地震の記憶は生々しいところがあります。それによって更新されたせいか、今日、北海道で東日本大震災のことが日常会話に出てくることは滅多になくなったと感じます。
あれから8年。その歳月の中で被災地の方々は失った多くのものへの悲しみを心の一番奥底にしまい歩み始めています。被災地の外にいるものは多くを語らずに静かに見守っています。そして国を挙げてオリンピックに向かう高揚の中、まるで何事もなかったかのような静けささえ感じます。はたしてその静寂は本当の平穏なのでしょうか?
和と秩序を重んじる日本の社会は本音と建前の二重構造です。震災はそこにさらなる亀裂を加えたように感じます。科学への信頼が揺らぎ、フェイクニュースが生産される今日は何が真実で真相なのか分からず、盲信や妄言が飛び交う暗雲の立ちこめる時代なのかもしれません。そこで生きていく時、弱い立場の存在や小さな声などが消されていくように見えます。
こぼれ落ちたものたちへの眼差しを掬い上げるのも芸術の果たせる領域なのです。美術家達は独自のセンサーでこうしたものへ目を向けています。ここにあるものは、震災の中から見えて来たものを醸成してきた5人の作家の歩みです。その視線の先にあるものを見て頂きたいと願います。 (企画:白濱雅也)